抜群の香りとふんわり食感♪ 旨味たっぷりな「しいたけ」をご紹介! 【野菜ソムリエ旬だより】

抜群の香りとふんわり食感♪ 旨味たっぷりな「しいたけ」をご紹介! 【野菜ソムリエ旬だより】

こんにちは。ふーぽ編集部ともきです! 

地元福井で活躍する野菜ソムリエのみなさんが、旬の野菜や果物の栄養、保存方法、食べ方のポイントなどを教えてくれる、【野菜ソムリエ旬だより】。

野菜ソムリエコミュニティ福井とは? 
野菜ソムリエの修了生が中心になり、ボランティアベースで活動する協会認定の福井の地域コミュニティ。スキルアップの勉強会や食育イベント参加など、修了生の交流と学びの場になっています。野菜ソムリエコミュニティ福井は約80名が活動しています。
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第12回目のテーマは「しいたけ」

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きのこ類は秋の味覚のイメージが強いため、しいたけの旬は秋だと思っている方も多いと思います。

しかし、しいたけは年2回、春と秋に旬を迎えます。

今回はしいたけの旬の時期や見分け方、保存方法などご紹介します。

「しいたけ」のいろいろ

きのこは約400種類もあり、そのうち食用にされるものは約100種類といわれています。

きのこはヘルシーな食材です。食物繊維が豊富で、私たちの健康を維持してくれる栄養素や成分も多く含んでいます。

特にしいたけは代表格で、煮物や鍋物などに欠かせません。

 

しいたけの歴史

しいたけの原産地はアジアの熱帯高地と推測されています。中国では古くから食べられていて、14世紀の書物「王禎農書(おうていのうしょ)」には栽培法が載っているそうです。

日本では鎌倉時代には食べられていたようで、室町時代にはしいたけを将軍に献上したという記録もあるといわれています。

栽培が行われるようになったのは江戸時代。

生産量が増えるにつれ広く浸透していき、明治時代の中頃には栽培が始まったといわれています。

 

しいたけの種類

しいたけは、全国の森林で自生していますが、流通しているものの多くは栽培ものです。

栽培ものには、原木栽培と、菌床栽培(ハウス栽培)があります。

  原木栽培  

コナラやクヌギの丸太を使って栽培したもの
肉質が締まっていて香りがよく風味が強いのが特徴。菌床栽培のものに比べると日持ちは短いが、歯切れのよさや風味を楽しめます。

 菌床栽培  

おがくずに米ぬかやふすまなどを加えて作った培地で栽培したもの
原木しいたけに比べると肉質はやわらかめで味や香りも少なめだが、日持ちがよく安定した生産が可能です。
また原木栽培に比べて栽培期間も短く、大量生産も可能なので価格もお買い得です。


スーパーなどで「菌床栽培」と書かれているものをよく見かけますよね。

 

しいたけの旬

秋の味覚のイメージが強いしいたけですが、天然のしいたけは3月から5月)と秋(9月から11月頃)の、年2回収穫されます。

自然の中で育った天然のしいたけは、十分に培養されたしいたけ菌だけが発生したものです。

培養までの時間が長くなるため、おいしいしいたけになります。


一方、菌床栽培のしいたけは一年を通して流通しています。

そのため旬が無いように思われますが、「初出し」のものはもっともおいしいといわれています。

 

美味しいしいたけの選び方

ここで、しいたけの見極め方、3つのポイントをご紹介♪

しいたけのかさは開いていくほど鮮度が落ちていきます。なるべくかさが開き切っていない状態がよいといわれています。目安は、6割から8割程度

しいたけは大きいものより、肉厚なものを選ぶことが大切。そして軸が太くて短いものがよいでしょう。全体的に丸いものが新鮮でうまみと瑞々しさがあり、食感もプリッとしています。

同じ大きさなら重みのあるものがよく、かさが開ききっていたり、ひだが茶色く変色したものは鮮度が落ちています。


以上3つのポイントを参考に、よりおいしいしいたけを堪能してくださいね。

 

しいたけの保存方法

しいたけは日持ちしないので2~3日中には食べきりましょう。

少しでも長持ちさせるには、しいたけをパックや袋からいったん出して、キッチンペーパーや新聞紙でくるむか、下に敷いて野菜室で保存するのがおすすめです。

しいたけの保存には水気が大敵

買ってきたままのパックや袋のまま保存しておくと、中が蒸れてラップに水滴が付き、しいたけの傷みが早くなります。

 保存期間の目安 

①【そのまま野菜室】に保存した場合は1週間程度。

②【カットして冷蔵】で保存の場合は3日程度。※チルド室に入れるとより長く保存が可能。

石づきをカットしてまるごと、またはスライスしたものを保存用袋に入れて冷凍保存】の場合は約1カ月程度。


冷凍保存しておくと、調理するときはそのまま使えるのでおすすめです。

 

実際にしいたけ農家さんを訪ねてみました♪

山林に囲まれた場所で栽培される原木しいたけ


では実際に、しいたけはどのように栽培されているのでしょうか。

今回は越前町織田地区の姉崎椎茸園を訪ねてみました。

姉崎椎茸園は敏明さん、裕美子さん夫妻を中心に、50年近く原木しいたけ栽培を行っています。

「ほだ木」で育つ原木しいたけ


原木しいたけは、伐採した原木に菌を打ち込み、組み上げた「ほだ木」で管理、栽培されます。

この地域には、しいたけの原木に適したコナラやクヌギが多く自生しており、姉崎椎茸園では地区内の山林から原木を伐採し調達しているそうです。

 

原木しいたけ栽培のスペシャリスト、ご主人の姉崎敏明さん


現在は4~5カ所で栽培。

以前は生しいたけとして出荷していたそうですが、敏明さんが継いでからは収穫後24時間乾燥させた乾燥しいたけとして出荷するようになったそうです。

現在では、収穫したもののほとんどを乾燥しいたけで出荷中とのこと。

(でもどうしても生でほしいファンの方も買いに来られるそうですよ)

 

この日だけでカゴ90杯分の収穫だったとか


姉崎さんによると、しいたけは気温が15度を超えると開き、25度を超えるとさらに大きく成長するそう。

例年であれば4月の中頃が収穫のピークとのことですが、今年は成長が早く、取材した4月上旬はまさに収穫の真っ最中。

原木栽培の場合は収穫までに2年間かかるそうで、こちらの「ほだ場(原木しいたけの栽培場)」では2年越しの原木しいたけがいたるところで成長した姿を見せてくれていました。

 

最初は小さくても、約30日で大きくなるそうです


ちなみに、そんな魅力的なしいたけを狙って鳥やリスが食べに来たりするそうです。

でもやはりサルが一番の脅威だとか…

 

農家さんおすすめの食べ方って?

塩とオリーブオイルをたらしたら美味しさ間違いなし


今回は姉崎さんにおすすめの食べ方を教えてもらいました。


醬油で味付けもおいしいけど、実は塩がおすすめだとか。

「丼ぶりにしたり、オリーブオイル多めで炒めて塩をふり、仕上げにバターをのせる食べ方もおすすめです」。

 

なお、粉末にした原木しいたけをお味噌汁に入れるとうま味がグッと増すそう!

粉末を溶かして煮込むと、干ししいたけの香りが引き立つようですよ。

 

⇒姉崎椎茸園の粉末しいたけはこちらから

自然の中で、丁寧に栽培されています


現在、スーパーなどで出回っているしいたけはほとんどが菌床栽培のもので、原木栽培のものは全国生産量の約5%程度といわれています。

そんな中でも、原木から地元のものにこだわって栽培している原木しいたけの味の深みやコクはやはり格別です。

生の原木しいたけはなかなか手に入りにくいですが、もし直売所などで見かけたらぜひお試しくださいね。

 

福井県のブランド原木しいたけ「香福茸(こうふくだけ)


「香福茸(こうふくだけ)
は福井県のブランドしいたけ。平成29年に初めてお目見えしました。

厳しい基準と見た目の美しさをクリアした、一握りの原木しいたけのみが名乗ることができます。

  香福茸の基準  

1.傘の大きさ8㎝以上
2.肉の厚さ3㎝以上
3.傘の内側への巻込み1㎝以上

 

「幸福度日本一」の福井県で育ち、食べた人が幸せと感じるおいしいしいたけを作りたいとの思いから香福茸と名付けらたそう。

うまみ成分とされるグルタミン酸の含有量は、一般的なしいたけの約2倍もあります。

冬の間の限定品ですが、福井のブランド品としてこれからさらなる成長が楽しみな一品です。

(ちなみに初セリでは2万円以上の値がつくことあったとか。一度食べてみたいですね)

 



いかがでしたか?

 

旬の野菜や果物を楽しみながら味わうには、いろいろと工夫して“野菜をとる”という意識を持ち、習慣づけることが大切です。

 

四季折々の野菜や果物に触れながら、自分のライフスタイルにあった野菜の摂取方法や楽しみ方を見つけていきましょう! 

 

また来月をお楽しみに~。

過去の連載はこちらから

 

 
野菜ソムリエとは? 
一般社団法人日本野菜ソムリエ協会が認定する民間資格。

野菜や果物の目利き、栄養、素材に合わせた料理法など毎日の食生活に欠かせない野菜・果物の幅広い知識をもちつつ、それぞれのおいしさ、楽しさを伝えるスペシャリスト。

全国で5万人以上の有資格者が料理教室、セミナー講師、食育活動、コラム執筆、青果販売など、さまざまなフィールドで活動しています。
(日本野菜ソムリエ協会HPより)

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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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