母子家庭を支援するNPO団体「YORIDO(ヨーリドー)」代表は現役医大生。洞雞真人さんが描く社会の夢とは?【こたかな福井びと】

母子家庭を支援するNPO団体「YORIDO(ヨーリドー)」代表は現役医大生。洞雞真人さんが描く社会の夢とは?【こたかな福井びと】

こんにちは! ふーぽ編集部です。

連載「こたかな福井びと」では、福井県に住んでいて夢をかなえた人、夢にチャレンジしている人をミニインタビューで紹介します。

この連載は、FMふくい、FM石川、FMとやまの北陸3局がお送りする番組「CHIKOのこたかな」(制作・FMとやま)とのコラボ企画。

各ラジオ局で同じ内容を北陸3県で放送しています。

FMふくいでは、毎週日曜日の13:55~14:00に絶賛放送中。

第25回は、NPO団体「YORIDO(ヨーリドー)」の代表を務める福井大学医学部3年生の洞雞 真人(どうけい まなと)さん

FMふくいでは、2025年3月16日(日)に放送予定です。

母子家庭を支援するNPO団体「YORIDO(ヨーリドー)」代表が描く“社会の夢”

キャベツが600円――…!?

スーパーで見かける野菜の値段に驚く方も多いのではないでしょうか。

そんな加速する物価高で家計が悲鳴を上げています。

 

日本のシングルマザーの貧困率は約5割と先進国の中でも特に高いほう。

子育てでキャリアを積むのが難しく、男女間の賃金格差も影響し、親子が共に貧困に苦しむ状況が広がっているのです。

 

「ひとり親家庭の生活を少しでも助けたい」と強い信念を持ち活動にいそしむのは、福井大学医学部医学科3年生の 洞雞 真人(どうけい まなと)さん21歳。

昨年2024年9月に、ひとり親家庭を支援するNPO団体「YORIDO(ヨーリドー)」を立ち上げ、その代表を務めています。

名前は「親子のよりどころになるように」という意味を込めました。母子・父子家庭世帯への食料配布や教育支援、美容イベントの開催などの活動を行っています。

 

そんな洞雞さんは、同じく母子家庭の貧困で苦労した過去がありました。

洞雞さんは京都府木津川市で育ち、3歳の時に父親を肝硬変で亡くし、母親と2人暮らし。

育った家庭では母が子育てをしながらフルタイムで働くも金銭的な余裕はなく、豊かな生活とはかけ離れていたといいます。

小学校低学年の頃まで節約のためお風呂が3日に1回、外食が月1回の唯一の贅沢だったそうです。

 

そんな切り詰めた生活の中の楽しみの一つが、クイズでした。

いつしか高校生クイズに出場してみたいと願うようになります。

塾に通うこともハードルが高かったといいますが、母の献身的な支えもあって受験を乗り越え、高校生クイズの名門校である東大寺学園高校に合格。

在学中に、高校生クイズに出場する夢を叶えました。

 

2023年4月には、福井大学医学部医学科に入学。

現在、3年生で奨学金返済と生活費のために3つのバイトを掛け持ちしながら学業に励む日々を送っています。

「自分は縁に恵まれて大学進学の道が叶いましたが、金銭的な理由で夢を諦めざるを得ない、そもそも選択肢にない家庭環境の子どもがいます。進学をしない選択も自由ですが、子どもたちに“選べる”というゆとりを提供したいと思いました」

そう感じた洞雞さんは、昨秋からシングルマザー・ファザーをサポートし、貧困に悩む子どもたちの将来を広げるため、NPO団体「YORIDO(ヨーリドー)」を一人で立ち上げました。

まずはInstagramを使って、ひとり親家庭に向け、行政や民間が行っている支援情報を親しみやすく発信することから始めました。
※Instagramのアカウントはこちら⇒@yorido_official

さらに、同じ境遇の子どもたちに対し無償で家庭教師や進学相談を行うなどの支援も行います。

杉本育文化財団と連携し新米プレゼントキャンペーンを企画

また、自身の経験から、家庭環境で貧困に悩む現場の声は世間や行政の耳まで届きにくいと言います。

そのため、現場のリアルな声を聴くためアンケート集計を行い、子どもたちの食育を支援する杉本育文化財団と連携しひとり親家庭世帯へ新米を配ったり、市営住宅へ訪問し極寒の中4時間かけてポスティングしたりも。

献身的になる理由には、洞雞さんが理想とする社会の姿がありました。

「目先の私利にとらわれ、謙虚さに欠けてしまうと余裕がなくなってしまいます。僕自身も含めすべての人が謙虚な姿勢を持った世の中を実現できれば、みんなが自然な状態で豊かに暮らすことができると考えます。そのためには、一人一人が心豊かに、選択肢を持てる状態が必要だと思っています」

ひとり親家庭へ向けた行政の支援制度はありますが、最低限の衣食住を保証するもの。「YORIDO」が掲げる理想は、そこからもっと踏み込んだ豊かな生活の実現です。生の声を身近に聴いて、スピード感をもって現場に行き届けられるのは民間ならではの良さかもしれません。

 

かつて、洞雞さんを支えてくれた母は生活のことで精一杯で、美容や娯楽を楽しむ余裕はありませんでした。

だから、日々育児や仕事を頑張っているお母さんの安らぎの時間になるような企画も実施します。

2025年3月9日には、県内のサロンと協力しシングルマザーを対象とした美容イベントを開催。

参加者は、エステやハンドケアの施術を無料で受けることができます。

一人で立ち上げた「YORIDO」は、今では活動に共感した人々が集まり、この美容イベントにはサポーター含め約20人以上が参加する予定です。

今後は、活動の実績を積みながら年内に法人化を目指し、卒業後も医師の視点として福祉や病児保育の面も支援していきたいと語ってくれました。

誰もがゆとりを持てる社会を目指して、洞雞さんは行動と努力を続けます。

「世の中ではひとり親世帯への風当たりが強く、本人の自己責任だという風潮さえありますが、それぞれの背景や事情があり、社会が決めつけてしまうことではありません。当事者だけの問題にせず、まずは自分の経験を活かして、少しでもひとり親家庭の生活に寄り添いたいのです」

洞雞 真人(どうけい まなと)

京都府宇治市出身。福井大学医学部医学科3年生。母子家庭で育った経験から、同じ境遇で悩んでいる親子を支援したいとNPO団体「YORIDO(ヨーリドー)」を立ち上げ、支援や広報活動を行っている。

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「CHIKOのこたかな」(制作・FMとやま)は、FMふくい毎週日曜日の13:55~14:00に絶賛放送中。

洞雞真人さんをご紹介した第25回は、3月16日(日)に放送されます。

なお「放送時間にラジオを聞けない」という方や聞き逃してしまった方も、ご安心を。

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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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