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「天国大魔境」!!
往年のファミコンソフトを思わせるおどろおどろしいタイトル。
講談社の月刊誌「アフタヌーン」にて、今年2018年3月号から連載され、7月に単行本第1巻が発売されています。
【あらすじ】
少年トキオは、ほかの子どもたちや「先生」と呼ばれる大人たちとともに、天井も四方も白い壁で囲まれた学校のような施設で生活している。とある日の授業中に受け取った「外の外に行きたいですか?」というメッセージがきっかけで、外の外つまり壁の向こうの世界を意識し始める。
一方その壁の向こうでは、トキオと容姿のよく似たマルという名の少年が用心棒のキリコとともに「天国」と呼ばれる場所を探していた。「人喰い」と呼ばれる異形の怪物からの襲撃をしのぎながら、ふたりは旅先で手にするわずかな手掛かりをたよりに旅を続けるのであった・・・。
ストーリーの舞台は、謎の「災害」が起きて文明が崩壊してしまった近未来の日本。
「進撃の巨人」や「アイアムアヒーロー」、石黒先生が大いに影響を受けたという大友克洋の「AKIRA」のような作品と近しい世界観となっているのですが、
「文明がなくなって崩壊した世界」と「崩壊した世界から隔離された世界」のふたつの視点から描かれているという点で、他にあまりない特徴ではないでしょうか?
これまでの石黒作品に触れてきたふーぽ編集部にとっては、ページに描かれたあらゆるものが伏線に思えて仕方がない・・・(笑。
読んでいて気になったのは、やはり「人喰い」の存在。
あらすじで異形と書きましたが、いろんな生物から体のパーツを取ってきてつなぎ合わせたような、およそ自然界には存在しない姿をしています。
そしてその異形の人喰いと重なって見えるのが、トキオをはじめとした壁の中で暮らす子どもたち。
高い知能やおよそ人間とは思えぬ高い身体能力(背丈の3倍近い高さまでジャンプする、10m近い高さから落ちてもケガひとつしないなど)を持っているんです。
単行本でしか読んでいないので、今現在どうなっているかわからないのですが、このふたつは何か深い関係があるように思えてなりません。例えばどちらも遺伝子操作などの生物学的処置によって作られたものであるとか・・・。
まだ物語は始まったばかりなので、いろんなことが考えられそうですが、
「災害」とは何だったのか?
「天国」とはどこなのか?
トキオとマルの関係性は?
こういった謎がストーリーの核心部分になっていきそう。
今後どんな展開を迎え、どうやって伏線が回収されていくのか楽しみです!
2019年3月に発売予定の第2巻が待ち遠しい!!
しかも、現在アフタヌーンの公式サイトにて第1話が無料公開中!
単行本第1巻の発売を記念したアニメPVも同じサイトで観ることができます。
気になった方はぜひ読んでください!