「このマンガがすごい2019」第1位!! 我らが福井出身・石黒正数先生の「天国大魔境」は本当にすごいぜ!



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外天楼は2011年10月に単行本が発売された作品。
講談社が発行する小説誌「メフィスト」に掲載されていました。全1巻。

【あらすじ】
 増築と改築が繰り返され、迷路のようになった集合住宅・外天楼で、中学生のアリオは暮らしている。
 ある日友達とともに、彼らが「女神の棚」と呼んでいる近所の本屋の成人向けコーナーから、いかにして本を購入するかを話し合い、実行に移すものの失敗。
 その手の雑誌がときどき外天楼のゴミ捨て場に捨てられることを友人の一人が思いだし、現場に向かうアリオたち。
 ゴミ捨て場にて悲願のものを手にいれ喜びに沸く中学生たちであったが、そこでアリオの姉キリエにばったり遭遇してしまい・・・。

あらすじで紹介したのは第一話として収録されているエピソードで、それだけみれば日常系の漫画なのかなと思ってしまうところ。

ところがこの第一話以降、宇宙ヒーローがでてきたり、機械とともに働くロボット製造工場の労働者が出てきたり、ポンコツ新米刑事がでてきたりと、世界観もメインキャラクターもバラバラなエピソードが続きます。

どれも「そうくるのか」といった、ミステリー風の展開を見せるので、初めて読んだときにはそういう短編集なのかと僕は勘違いしてしまいました。

ただ読み進めていくと、「アリオのぽっちゃりな友達が、まさかあの・・・」とか「キリエがいつもアイスをペロペロしてたのはそういうことだったのか!」と、
各エピソード同士のつながりが明らかになり、最後にはひとつの物語として驚愕の結末へと収束していきます。

 

石黒先生の作品は、伏線回収の見事さが魅力だったりするんですが、この「外天楼」でそれをまざまざと見せつけられました・・・。

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それでも町は廻っている」(通称:それ町)
は、TBS系列でアニメ化もされた作品です。

少年画報社の「ヤングキングアワーズ」にて、2005年から2016年まで10年以上連載されました。

2013年には文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞。

さらに2018年には、過去に「風の谷のナウシカ(宮崎駿)」や「うしおととら(藤田和日郎)」など数々の名作に贈られた星雲賞コミック部門を受賞しました。
(青雲賞は、小説部門ではこれまで「日本沈没(小松左京)」や「グイン・サーガ(栗本薫)」などそうそうたる顔ぶれが受賞しています)

【あらすじ】
 主人公の嵐山歩鳥は東京の下町に住み、喫茶店シーサイドでアルバイトをする女子高生。
 「流行っているから」という、マスターの老婆・磯端ウキの安直な思い付きで、シーサイドはメイド喫茶に生まれ変わり、ウキとともに歩鳥もメイドの恰好をすることに。
 新たなスタートを切ったシーサイドであったが、ただ単にウェイターがメイド服を着ているだけで、
それ以外はこれまでの姿となにも変わらないお粗末なものだった。
 歩鳥の同級生であり、サブカル好きでメイドへのあこがれを持っていた辰野トシ子は、誘われてシーサイドにやってきたものの、理想と違うメイドカフェに落胆しその場で説教を始める。ウキはそんなトシ子を気に入り、メイドとして勧誘。
 はじめは乗り気ではないトシ子であったが、思いを寄せるクラスメイトの真田広章がシーサイドに入り浸っていることを知り、働くことを決める。
 しかし当の真田が淡い恋心を抱いていたのは、彼の幼馴染である歩鳥なのであった・・・。


歩鳥が暮らす下町・丸子町の商店街や高校を舞台にして、彼女の周りで起こる日常の出来事を描いているのですが、

何気ないストーリーの中に織り交ぜられた伏線が鮮やかだったり、ときおりSFやミステリー、ホラー的なエピソードがあったり、映画や小説や漫画やサブカルチャーなどを元にしたわかる人にはわかるような小ネタが髄所にしこまれていたりと、
なかなか一筋縄にはいかない作品です。

という風に書くと、少々奇抜な作品に思われちゃいそうなんですが、この作品では一人ひとりの人物がものすごく丁寧に描かれているんです。

「このキャラクターだったら、こういうことするだろうな」と登場人物たちのとる行動にいちいち納得したりだとか、とある登場人物がまた別の登場人物をどんな風に思っているかなどがセリフからそれとなくわかったり。
読んでいくうちにだんだんとキャラクターが愛おしくなってくきます

真田の親友である浅井が、奥手ながらも密かに思いを寄せる同級生に告白するシーンなんかは、それ町の中でのふーぽ編集部的名シーンのひとつです。

あと作品中にはたびたび福井ネタが登場します。
歩鳥の母親の実家はどうやら福井県らしく、里帰りのエピソードで「のくてぇ」などの福井弁が出てきます。
また単行本第6巻では、同じく歩鳥たちが福井にやってきたエピソードで、
いまはなき「森田市民プール」をモデルにしたプールでのシーンもあったり。
その6巻には「福井市宇園住所(うそのじゅうしょ)」という記載が意外なとこに隠されてるので、
ぜひ探してみてください。


さてさて、そんな漫画を描いてきた石黒先生の待望の新作で、「このマンガがすごい!2019」男性編第1位に輝いたあの作品を、そろそろご紹介いたしましょう!!

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

ふーぽ編集部
writer : ふーぽ編集部

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