つづいて若新さんは、そもそもの“ボランティア”という活動について言及。
「こういうボランティアの活動でありがちなのが、誰かのために自己犠牲をしないと、とか、仕事忙しいけど何とかして参加しなきゃ、なんていう義務感を過剰に抱いてしまうこと」
「そうなると、グループのメンバーから、なんで来なかったと、非難されることもあるようです。ボランティアなのにって感じですけどね」
確かにゆるい食堂もボランティアではありますが、
「参加した人それぞれが、自分のためというか、何かを得られるから参加して、それが他のひとのためになっているように見えましたね」
と、平本さんは語ります。
若新さん曰く、ゆるい食堂は、食べにくる人の数や出される品数が多く、全国的に見てもかなり大きな規模の活動ということなのですが、
「たくさんの人が来てくれているとはいえ、ゆるい食堂が食品ロスの問題や孤食の問題の解決に大きく貢献できているとは思っていません。」
「もちろん、ご飯を食べにくる人たちのためにという視点をもちつつ、運営や調理に取り組むスタッフが活躍し楽しめる場にするということをすごく大切にしているんです」
「スタッフ同士の出会いや学び、楽しさなど、自分たちの充実感につながるような場や空間にすることが、活動を持続可能なものにするひとつの重要な考え方だと思っています」
さらに若新さんは、自己犠牲的な活動の限界を強調しつつ、
「参加する人がそれぞれ何かで活躍できて、輝ける、そんな出番をつくる。その場にいけば、自分の出番があって楽しめるとたくさんの人が思えれば、そんな場所や人が増えて、結果的に活動の輪も広がっていくと考えています。」
と話していました。
今回の変点観測、いかがだったでしょうか?
ついつい、「ボランティアなのに、活動している自分たちが楽しんでいいの?」って思いがちですけど、意義のある活動こそ続けていくことが大事だと思うので、継続していくためにどう参加者のモチベーション維持していくかというのは、とても重要なテーマですね。
次回の変点観測もお楽しみに!