毎月第4土曜日は越前市の和紙問屋「杉原商店」の蔵ギャラリーがオープン! 今なら超レアな「ちぎり和紙」も展示中。

毎月第4土曜日は越前市の和紙問屋「杉原商店」の蔵ギャラリーがオープン! 今なら超レアな「ちぎり和紙」も展示中。

こんにちは。ふーぽ編集部のともきです。

越前市今立地区は、今も50軒以上の和紙工房が軒を連ねる「越前和紙」の産地。

この産地で作られている和紙はおよそ1500年の歴史があると言われており、不老(おいず)、大滝、岩本、新在家、定友の5つの集落が集うこの「五箇地区」は古くからの紙漉きの技術を今に伝えています。

そんな五箇地区を歩いていると、ひときわ目を引く大きな蔵があります。
和紙問屋「杉原商店」さんの蔵で、2018年2月に築100年の蔵を改築してオープンしたストア&和紙ギャラリーでもあるんです。

蔵のオープン日は、毎月第4土曜日。

5~6月の間は珍しい「ちぎり和紙」の展示しているということで今回お邪魔してきました。

「和紙屋」ののれんが目印です

大きな蔵。風格と歴史を感じますね

杉原商店は明治4年創業、140年以上の歴史を持つ和紙の問屋さん

現代の消費者の和紙に対する様々なニーズを受け止めて、それを多様な生産者と結ぶ役割を果たすなど、さまざまな形での和紙の普及に努めているそうです。

 

こちらが杉原商店の10代目、杉原吉直さん。

伝統的な和紙製造の世界にとどまることなく、現代のライフスタイルになじんだ新しい和紙の楽しみ方や使い方を提案し続けており、最近では「和紙ソムリエ」として越前和紙の魅力を発信中。

和紙に対する国内外のニーズを聞きつけ、地域と世界を繋げる窓口としても活躍中です。

では、蔵の中へ入ってみましょう♪

和紙産地の、問屋としての歴史を感じます

入ってすぐに目をひくのは、地元の職人さんが手掛けた繊細な透かし模様のタペストリーや長さ10メートル超の大型和紙。

思わず「どうやって漉くのだろう・・・」と呟いてしまいます。ほんとに大きい!

インテリアとしての和紙の可能性も感じれます

様々な地元、越前和紙のアイテムが並びます

まるで石?これも越前和紙で出来た石のようなユニークな小物入れです

こちらは和紙の新しい用途を発信するギャラリーとしてだけでなく、「和紙の里を訪ねてくる国内外の観光客や、地元の方も気軽に訪れる場所にしたい」とのこと。

ギャラリーの広いスペースで見ることでよりじっくりと和紙の魅力に触れる事ができたり、様々な人が集まって和紙の情報が生まれる場所を目指しているそうです。

そして今、こちらの蔵では「ちぎり和紙十二支展」が開催中なんですよ!

……ん?「ちぎり和紙」?

あまり聞きなれない名前かもしれませんが、ちぎり和紙とは透かし技法を使った和紙。

和紙の原料の1つである楮(こうぞ)を使った和紙はちぎる際に端にふわふわとした繊維が表れます。

透かしの線に沿ってちぎることでラベルやメモとして使うことができるんですよ。

ショーケースに十二干支のちぎり和紙が並びます

元々は「紙だけじゃなく、縁まで和紙らしい雰囲気を残した名刺があったらなぁ…」

そんな思いから、和紙ならではの風合いを出すことができる、
「ちぎって名刺」を産地の職人さんと一緒に開発された杉原さん。

そんな中、杉原商店が出店した2005年のフランス、パリでの展示会で「ちぎって名刺」を見たデザイナーの橋田規子さんはこの名刺の端のけばけばが動物の毛みたいで可愛い」と一目惚れし、杉原さんにデザインを申し出たのだとか。

この出会いから始まった「ちぎり和紙干支シリーズ」。足掛け12年。ついに完成し、今回の展示に繋がったそうです。

ちなみに、12干支と言えば、「子 (ね)、丑 (うし)、寅 (とら)、卯 (う)、辰 (たつ)、巳 (み)、午 (うま)、未 (ひつじ)、申 (さる)、酉 (とり)、戌 (いぬ)、亥 (い)」。

自分の干支が和紙になっているなんて何だか嬉しいですね♪

 

猪のちぎり和紙。愛らしいデザインに惹かれます♪

こうやって簡単にちぎれるんです。端のけばけばはまさに動物たちの毛そのものです

ちぎり和紙干支シリーズの生みの親、橋田さん

干支の特徴を優しく、可愛らしく掴んでいます

ちぎってメッセージカードや瓶のラベルなどにも使えます

デザインする際に「使っていくうちに心が軽くなるような、心地よいものを作りたい」と話す橋田さん。

和紙を見るだけでなく、触って、身近に感じ、和紙を慈しんでほしいという思いからデザインを作ったそうです。


実際、自分でちぎってみると、端のふわふわ、けばけばの部分が柔らかくて可愛く、1つ1つの大きさが微妙に違うも愛らしく感じます。

なるべく捨てる部分が無いように絵柄を詰めることにしているそうで、そのため表情や大きさの異なる魅力あふれる動物たちがいっぱいです。

 

 

和紙は、ともすれば普段の生活では使うことが少なくなっているかもしれませんが、和紙を見て、触れて、そして産地に根差したお話を聞くことが出来るこのギャラリーは和紙の可能性を引き出し、世界中の人に和紙を使ってもらうために大事な存在になっていくのかもしれません。

杉原商店のストア&和紙ギャラリーのオープン日は毎月第4土曜日

6月の第4土曜日は杉原さんと橋田さんの出会いから生まれた「ちぎり和紙干支シリーズ」も展示中です。

越前和紙のこれからを見つけに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

杉原商店(蔵・ギャラリー)

福井県越前市不老町17-2
【TEL】0778-42-0032
【営】蔵ギャラリーは第4土曜のみ営業 
 9:00~17:00 その他アポイント制で営業。
(ちぎり和紙展の展示期間についてはお問い合わせください)
【HP】杉原商店HP

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

ともき
writer : ともき

ふくいの食に関することが大好きな、ふーぽ編集部おいしい「食」担当。
ふくいのおいしい情報を中心に、野菜ソムリエとしての視点も活かした記事をお届けしま す。 最近のマイブームは農家さんや漁師さんからの情報収集。ふくいの食は奥が深い!

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