城勝湯・下中雄一さんと「ボイラー」【ふくいの人と道具】

城勝湯・下中雄一さんと「ボイラー」【ふくいの人と道具】

こんにちは、ふーぽ編集部です。

いろいろな職人たちの技を支えている道具たち。その道具への思いを、使い手にお聞きする「ふくいの人と道具」のコーナーです。

今回は、福井県越前市にある城勝湯の下中雄一さんにお話を伺ってきました。

 


 

タオルや石鹸を脇に抱えてのれんをくぐる常連たちを、「いらっしゃい」と笑顔で迎えるのは番台の下中さん。


2019年に大学院を卒業したばかりの彼は、まちづくりの研究を続けながら城勝湯で働いています

長年湯屋を守ってきたオーナーの松浦さんを助け、浴室の清掃や物品調達など数々の仕事をこなし、時には湯沸かしも任されるそうです。

中央に見えるのがボイラー。2011年製造と比較的新しいが、鉄製のため熱で傷みやすく、定期的に入れ替えが必要

 

こちらが銭湯の命であるボイラー室


3畳あるかないかの狭い空間を、天井から釣り下がる電球とボイラーの炎が照らします。

灰と埃にまみれた計器類が顔を覗かせ、パイプやケーブルが互いの間隙を縫って壁を伝う。その中に佇むボイラーは、おがくずを燃やす昔ながらの型。


湯沸かしはまず、前日に溜まった灰を取り除くことから始まります。

右が下中さん。左がオーナーの松浦さん。松浦さんは御年81歳

 

正午から火を入れ、蓋の開け閉めで空気の量を調整し、おがくずをくべながら内部の温度を保って、ポンプで汲み上げた地下水を加熱していきます。


「常連が喜ぶのは、肌を刺すような熱さ」と下中さん。


16時のオープンに向け、約2時間かけて客好みの湯にし、湯船へと送り出します。その間、決して火は絶やせません。

勝手を知るオーナーは折を見て火元を離れますが、「僕はまだまだ不安で。ボイラーに付きっきりですね」と下中さんは話します。

城勝湯の浴室。奥から手前に、湯の温度が低くなっている

 

営業が始まれば、湯屋は浴室も脱衣所も人の会話で活気づく。


下中さんは、この銭湯を活用した地域活性化プロジェクトを率い、地元住民も交え若者向けのイベントを開催しています。

新たな交流が生まれ、近頃は湯船に浸かる若い新顔も増えたそうです。


「こうした場は住民の幸福度につながり、地域の人々にとって欠かせないもの。この銭湯も途絶えさせてはいけないんです」と下中さんは話します。

城勝湯(じょうかつゆ)

福井県越前市若竹町10-18
☎0778-67-7511
【営】16:00~21:00
【休】月曜、金曜
http://www.1010fukui.jp/se-joukatuyu.html

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