若い世代にも知って欲しい、終活の必要性
ー加藤さんが考える、終活の必要性は 何でしょうか?
終活と聞くとハードルが高く感じますが、家族との時間が増えている今だからこそ、理想の余生の過ごし方、例えば家族でどこに行きたいとか、やり残したことがないかとか、人生の振り返りも含めて、自分と向き合える時間をつくれます。
あとは、遺産相続やお金の管理、いざという時の連絡先なども忘れないうちにエンディングノートに書き留めておくのがおすすめです。利用しているwebサイトのログイン情報を書く方もいらっしゃいます。
大切な情報が書かれているエンディングノートの存在を家族が知らなかった、葬儀の後に見つかるという事例は少なくありません。エンディングノートを書いていることをご家族に伝えておきましょう。
私たちは終活を通して、家族で沢山の事を話し合うことが理想だと考えています。
ーやはり、若い世代の方にも終活の重要性を知って欲しいですね。
そうですね。ふくい終活の会が60歳以上の親を持つ世代に親の終活について調査したところ、親が終活を始めた場合、手伝いたいと回答した方が83%、親に本心や想いを残してほしいと回答した方が81%という結果になりました。
ただ、子どもから親に「そろそろ終活を始めるのはどう?エンディングノートかいたらどう?」というのは言いづらいものです。
コロナ禍により家族との時間が増えた今だからこそ、話せることがあると思います。
日常の会話(コロナが終わったら、どこ行きたい?どんなことがしたい?等)からでも親の想いを聞けるはずです。その会話をメモしたものがエンディングノートにつながっていきます。
ふくい終活の会の会員には40・50代の方もおり、中には自分の親の終活と自分自身の終活の相談に来られる方もいらっしゃいます。会話により親の今まで生きてきた経験や体験、そして子どもへの想い等を聞けて良かったという人が多くいらっしゃいます。
終活とかたく考えずに、アルバムを広げながら昔話をするなど、家族で沢山の話をしてほしいです。
ーふくい終活の会を始めたきっかけを教えてください。
終活という言葉自体は、もう5年以上も前から流行り始めました。
昔は親の介護などは、複数の兄弟や大勢の親戚で分担できていましたが、少子化や核家族化の影響で労力の分担が難しくなり、終活ブームを加速させました。
私たちが住む福井県も例外なく高齢化が進んでいる為、介護施設やセキュリティサービス、相続手続きを始め、専門分野15社の協力のもとこの会を発足しました。
何かお悩みごとやお困りことがあった時に、いつでもご相談いただける窓口をご用意しております。
ー現在は、主にどのような活動をされているのですか?
新型コロナウィルスの影響を受ける前までは、年に3回の少人数向けミニセミナーや、専門家をお招きしたホールでの終活フェアなどを開催していました。
しかし、ここ1年半はそのようなイベントも開催できていませんね。会員様はご高齢の方が多いので、オンラインイベントも難しく、私たちももどかしい気持ちです。
今は年に4回の会報誌発行が主な活動になっています。
最近では、親目線・子ども目線の終活への意識アンケートや、脳活のクロスワードパズル、雑学コーナーなども取り入れていますよ。
また会員様には、家族や友人に伝えておきたいことや自分の希望などを書き留めることができるエンディングノートをプレゼントさせていただいています。入会費や年会費は無料です。
おうち時間が増え、自分や家族と向き合う時間が増えた2021年。今まではゆっくりと話す機会がなかった「終活」について、皆さんのご家庭でも明るくお話しいただけることを願っています。