「埋もれた才能を世の中へ送り出す手助けができて、最高にうれしい」/映画「カメラを止めるな!」プロデューサー市橋 浩治さん【ふくい人に聞く】

「埋もれた才能を世の中へ送り出す手助けができて、最高にうれしい」/映画「カメラを止めるな!」プロデューサー市橋 浩治さん【ふくい人に聞く】

映画「カメラを止めるな!」プロデューサー
市橋 浩治さん

 

2018年、日本の映画業界の話題をさらった最大の事件といえば「カメラを止めるな!」の大ヒット。

プロデューサーの市橋浩治さんは福井県越前市今立地区の出身です。同年9月初旬、舞台あいさつのために福井の映画館を訪れた市橋さんに、お話を伺いました。


何百億円もの制作費を誇る超大作がひしめく中にあって、「カメラを止めるな!」は予算300万円、撮影日数わずか8日間の自主映画だ。

しかし2018年6月に東京都内の2館で公開されるやいなや、口コミやネットで爆発的に評判が広がり、3カ月を待たずに225館に拡大。観客動員数は100万人を突破するなど、ロングランが続いた。

社会現象ともいえるその渦中にいる市橋さんは「まったく予想していなかった事態で、いまだに気持ちの整理がついていない」と笑う。  

映画「カメラを止めるな!」の一場面。山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影中の一行が、異常な事態に巻き込まれる・・・。散りばめられた伏線が回収されていく爽快な展開に、リピーターが続出した/©ENBUゼミナール


大学卒業後、リクルートに入社し長らく広告営業を担当。縁あって監督・俳優の養成学校「ENBUゼミナール」(東京)の運営に携わるようになり、2009年に社長に就任した。

「実はエンタメ業界についてそれほど詳しくなく、すごい情熱があった訳でもない。だけどずっと教育分野の広告を担当していたこともあり、人を育てることに興味があったんです」

「カメラを止めるな!」は、新人監督や無名俳優たちに映画制作に挑戦する場を与えるため同校が主催するワークショップから生まれた。内容を含め基本的に監督の好きにやってもらい、当初から興行収益は二の次だったという。

同作では、映画制作の現場そのものの姿が描かれており、特にさまざまなモノづくりに携わる多くのクリエイターから共感の声が寄せられている。

さらに市橋さんは「低予算でも良いものを作ればちゃんと世の中が認めてくれるという〝ジャパニーズドリーム〟に観客が一緒に参加し、楽しんでくれている側面があると思う」と分析する。 

2018年9月初旬、「カメラを止めるな!」が福井で上映開始となった。上映館である福井市のテアトルサンクで行われた舞台あいさつ。市橋さんと上田慎一郎監督、2人の出演俳優が登壇し、撮影の裏話やヒットの感想などのトークを繰り広げた


人気拡大の陰では、監督や俳優たちが自ら路上でビラを配ったり、SNSでこまめに情報発信したりといった地道な努力を続けていたという。現在、彼らに対して次回作などのオファーが殺到している。

「興行的に大ヒットしたことはもちろんうれしいけれど、僕自身は、今まで埋もれていた才能が開花するのを手助けできて、それを世の中に送り出せたという点で、最高の結果になったと思っているんです」

全国に上映館が広がる中、福井県内でも2018年9月初旬の公開以来、連日人気が続いた。

「福井での公開がなかなか決まらず、やきもきしました(笑)。だけど、自分が送り出した作品を故郷で見てもらえるのは本当にうれしいです。この勢いで、福井のご当地映画を作ってみたいという気持ちも出てきました」

市橋さんは、そう力強く語ってくれた。

市橋 浩治(いちはし・こうじ)

1964年、福井県越前市今立地区生まれ。武生高校、神戸大学を卒業後、リクルートに入社し広告営業マンとして15年勤務。
2002年から監督・俳優養成専門学校「ENBUゼミナール」の運営に携わり、2009年に代表取締役に就任。
2011年にシネマプロジェクトを立ち上げ、「カメラを止めるな!」はその第7弾のプロデュース作品。

 

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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽインタビュー

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