しっとりほくほく♪福井が誇るあま~い「さつまいも」の魅力を紹介! 【野菜ソムリエ旬だより】

しっとりほくほく♪福井が誇るあま~い「さつまいも」の魅力を紹介! 【野菜ソムリエ旬だより】

こんにちは。ふーぽ編集部ともきです! 

地元福井で活躍する野菜ソムリエのみなさんが、旬の野菜や果物の栄養、保存方法、食べ方のポイントなどを教えてくれる、【野菜ソムリエ旬だより】。

野菜ソムリエコミュニティ福井とは? 
野菜ソムリエの修了生が中心になり、ボランティアベースで活動する協会認定の福井の地域コミュニティ。スキルアップの勉強会や食育イベント参加など、修了生の交流と学びの場になっています。野菜ソムリエコミュニティ福井は約80名が活動しています。
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第9回目のテーマは「さつまいも」

【⇒過去の連載はこちらから


現在、品種改良によって多くの種類のさつまいもが登場し、ほくほくで料理に適した食感のものや、スイーツのように甘いものなど個性はさまざまです。

今回は、さつまいもの選び方や、福井のさつまいも、いちおしレシピなどをご紹介いたします!

「さつまいも」のいろいろ

原産地

さつまいもの原産地は中南米と言われています。

日本には1600年頃に中国から琉球(沖縄県)へ。

そののち薩摩(鹿児島県)に伝わったので「さつまいも」と呼ぶようになりました。

現在でも中国の名前から由来してさつまいもは「唐芋(からいも)」、「甘藷(かんしょ)」とも呼ばれています。


日本でも広まるきっかけとなったのは江戸時代のこと。

8代将軍徳川吉宗の治世に、救荒作物として扱われ、蘭学者の青木昆陽らによって地方にも広められたそうですよ。

 

 

さつまいもの種類

さつまいもには多くの品種がありますが、しっとり系・ほくほく系・ねっとり系の三つに大分されます。

 しっとり系 
ほど良い甘味と滑らかな喉ごし、まるで芋ようかんを食べているような食感。
紅まさり、シルクスイート、めんげ芋、ひめあやか、アメリカ芋などが有名です。

 ほくほく系 
昔ながらの焼きいもで水分が少なく、サラサラとした粉質の舌触りで上品な甘さ。
高系14号、紅あずま、紅こまち、パープルスイートロード、紅こがねがあります。
この中の「高系14号」は各地で選抜や改良され、鳴門金時、とみつ金時、五郎島金時、紅さつま、宮崎紅、佐原金時、あけの金時などが生み出されています。

 ねっとり系 
その通りねっとりとしたクリーミーな舌ざわりと、濃厚な甘みが特徴。
安納芋、紅はるか、紅天使、甘太くん、いもジェンヌ、クイックスイートなどがあります。

 

栄養価と効能

さつまいもの食物繊維はジャガイモの2倍もあり便秘解消に、またビタミンCやポリフェノールは免疫力アップに。

さらに高血圧・むくみ防止、ガン予防、免疫力強化、美肌効果、ダイエット効果、血糖値の抑制などにも効果が期待されます。

 

選び方と保存方法

美味しいさつまいもは全体にふっくらと太く、鮮やかな紅色をしています。

持った時にずっしりと重みを感じるものを選びましょう。

さつまいもは暖かいところで栽培されるので、冷蔵庫に入れておくと低温障害を起こし、痛みが早まります

保存する際は新聞紙などで包んで冷暗所におきましょう。

適温は10℃~15℃と言われ、適温だと数カ月は保存も可能ですが、なるべく早く食べるのがおススメです。

 

 

 

1年中美味しいさつまいもを味わえる、キュアリング貯蔵

みなさんは、秋に収穫したさつまいもの美味しさを長く保つために、農家さんではある工夫がされていることをご存じでしょうか?


実はさつまいもは、収穫時の傷口から腐敗が進んでいきます。

この収穫したさつまいもを35℃、湿度95%以上の室内に約90時間置き、そのあと一気に12℃まで温度を下げて湿度85%で保存します。

するとなんと!、傷口の表皮下に薄いコルク層ができ、自然治癒現象が発生

これは「キュアリング貯蔵法」と呼ばれ、キュアリングしたさつまいもは粘質となり外皮が滑らかに

この結果、甘みが増すだけでなく、一年を通して美味しいさつまいもが楽しめるです。

 

農家さんによってキュアリングされ、保存されているさつまいもたち。

 

福井のさつまいもといえばとみつ金時!

福井のさつまいもと言えばやはり「とみつ金時」が人気です。

スーパーでもお馴染みですよね。


とみつ金時は福井県の北部に位置する、あわら市北潟地区の海沿いに面した富津集落が産地。

この土地は赤土と砂が混じりあい、水はけも良くさつまいもたちの天国です。

また北陸でも比較的温暖な地域なため、太陽の光をたっぷり浴び、美味しく育つとされています。

 

実はさつまいもは、「自分が育った土地を記憶して育つ」と言われています。同じ苗を植えても同じ芋は獲れません

とみつ金時は日本海に面した富津集落の自然の魅力を記憶して美味しく育っているのです。

 

富津集落は戦後の開拓地で、昭和60年ごろからさつま芋の栽培が始まりました。

一時は後継者不足に陥ったものの、現在は若手の後継者5名を中心に約30ヘクタールでとみつ金時が栽培され、 そのうち約13ヘクタールを(株)フィールドワークスさんが栽培されています。

(ちなみに東京ドームの広さは、およそ4.74ヘクタール。13ヘクタールでも広い!!!)

2020年は6月の定植以降、暖冬の影響で虫の害には悩まされたものの、美味しいとみつ金時ができたということです。

美味しい「とみつ金時」を届けるため、富津地区では若手後継者5人が「エコフィールドとみつ」を結成し、キュアリング貯蔵施設の共同利用や、緑肥栽培(クロタラリア…マメ科の植物)にも取り組むなど環境にやさしい栽培をめざしています。

みんなが協力し、どう美味しくつくるのか、どう美味しさを保つのか。そしてどんな美味しい食べ方があるのかを常に研究し、販売しています。

そんな地道な取り組みの積み重ねがとみつ金時の美味しさを保っているのです。

 

おすすめレシピ

ではここからは生産者でもある(株)フィールドワークスの吉村さん教えて頂いたいちおしレシピをご紹介します。

「さつまいも」(とみつ金時)を使った家庭でも手軽に作れる2品。

ぜひお試しくださいね♪

\今回の先生/
栄養士
食育インストラクター
吉村 みゆきさん

【プロフィール】
「畑から食卓へ」をモットーに、農業の生産現場を消費者の方に伝える活動を展開中。
農家の料理教室や、農場を解放したOPEN FARMイベント、子供を中心とした食育活動に力を入れている。

「とみつ金時のほっくりグラタン」

材料(4人分)

【ホワイトソース】
バター          40g
小麦粉          大4
牛乳(または豆乳)    400ml
塩            小1/2
白味噌          大1


さつまいも        大1本
玉ねぎ          1/2玉
ベーコンブロック     100g
しめじ          1/2房
塩コショウ        適量
サラダ油         適量
とろけるチーズ      適量

作り方

①ホワイトソースを作る。鍋にバターを溶かし、小麦粉を入れ弱火でだまにならないようによく混ぜる。

②牛乳に塩と白味噌を入れよく混ぜで溶き、①に1/4ほど入れ、弱火で手早く木べらやゴムべらなどで鍋底からこそげ取るように混ぜ、滑らかになったらまた1/4ほど加え混ぜ合わせる作業を4回ほど繰り返し滑らかに仕上がったら出来上がり。

③さつまいもを1cmほどの輪切りにして柔らかくなるまで蒸す。

④フライパンにサラダ油をひき、薄くスライスした玉ねぎと厚めの短冊切りにしたベーコンを炒め、玉ねぎがしんなりしてきたらさらにしめじの房の部分を切りほぐした物を加えてさっと炒め、塩コショウで味を調える。

⑤④にホワイトソースを混ぜ、耐熱皿に②を敷き詰め、③のさつまいもを並べて、とろけるチーズを適量のせて220度に予熱したオーブン(トースターでも良い)で20分ほど、焼き目がつくまで焼いて出来上がり。

 

 

「さつまいも白玉とココナッツミルクのおしるこ風」

材料

裏ごしさつまいも    250g
白玉粉         100g
水           50~100cc
砂糖          30~60g
塩           2つまみ


☆ココナッツミルク    400cc
☆牛乳(豆乳)      400㏄
☆砂糖          大6
☆塩麹          小2

【作り方】

①蒸して皮をむき潰したさつまいもに白玉粉と砂糖、塩を入れ耳たぶの柔らかさになるまで水を加えながら混ぜ合わせる。

②1口大の大きさに丸めて、沸騰したお湯で2分ほど茹でる。

③鍋に☆の材料を入れ、一煮立ちしたら②の白玉を入れて器に盛る。 

トッピングに蒸したさつまいもやナッツをのせるのもオススメです♪

色、甘さ、食感…品種によって個性が様々なさつまいも。

食感も、ほくほく系を選ぶか、しっとり系を選ぶかでも料理の印象は変わってきます。

素材をより良く知り、いろんな料理に展開して、さつまいもの味覚を堪能しましょう!



旬の野菜や果物を楽しみながら味わうには、いろいろと工夫して”野菜をとる”という意識を持ち習慣づけることが大切

四季折々の野菜や果物に触れながら、自分のライフスタイルにあった野菜の摂取方法や楽しみ方を見つけていきましょう! 


また来月をお楽しみに~。

 

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野菜ソムリエとは? 
一般社団法人日本野菜ソムリエ協会が認定する民間資格。

野菜や果物の目利き、栄養、素材に合わせた料理法など毎日の食生活に欠かせない野菜・果物の幅広い知識をもちつつ、それぞれのおいしさ、楽しさを伝えるスペシャリスト。

全国で5万人以上の有資格者が料理教室、セミナー講師、食育活動、コラム執筆、青果販売など、さまざまなフィールドで活動しています。
(日本野菜ソムリエ協会HPより)

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

ともき
writer : ともき

ふくいの食に関することが大好きな、ふーぽ編集部おいしい「食」担当。
ふくいのおいしい情報を中心に、野菜ソムリエとしての視点も活かした記事をお届けしま す。 最近のマイブームは農家さんや漁師さんからの情報収集。ふくいの食は奥が深い!

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