嶺南在住クリエイターがいま会ってほしいローカルピープル情報をお届けする【嶺南こんにちは通信】。
今回は、小浜市・上根来百里会の岩本 次彦さんです。
お気に入りの嶺南スポットも教えていただきました。
上根来を想う仲間とつくる。雪室が醸す、冬からの贈り物。

滋賀県境に近い、標高300mの山里・小浜市上根来。
現在住民はいないが、手入れされた家屋や草刈りが行き届いた街並みには、今も暮らしの温もりが静かに息づいている。
この景観を守り続けているのが、元住民らでつくる「上根来百里会」会長の岩本次彦さんたちだ。
2011年、大工歴50年の岩本さんらは、上根来の里山再生を目指すNPO法人「WACおばま」代表の鳥居直也さんと天然の冷蔵庫「雪室」による食材貯蔵を開始。
約20人の有志が活動を支えてきた。
「子どもの頃、2mも積もる雪は嫌な存在でした。でも今は発想を変え、地域の恵みとして活用しています」とほほ笑む。

雪室づくりのメンバー。左から前田さん、鳥居さん、岩本さん、大椿さん、川端さん
雪室づくりのきっかけは、百里会メンバーの川端恭一さんがテレビで知った新潟県の事例だった。
現地を視察してノウハウを吸収し、試行錯誤を重ねて「上根来スタイル」を確立させた。
毎年1月中旬、かつての畜産団地跡に仲間が集結する。
屋根から落ちた雪を重機で集め、巨大な雪山を築いていく。
間伐材で組んだ貯蔵庫を、約100tもの雪でしっかり覆って「よし、準備万端!」。
断熱材に籾殻を使う工夫を施し、緻密な管理を徹底することで、5月中旬まで一定の冷気と湿度を保ち続ける。

4m四方、高さ2mの貯蔵庫内は、温度2.5度、湿度90%以上の静寂に包まれる
雪の力による食材の保存・熟成は、科学的な「お墨付き」を得ている。
米や野菜、果物は甘味を増し、酢や日本酒などはまろやかな味わいに。
「味わった方からの『おいしくなったね』という喜びの声が励み。
雪がもたらす感動を、多くの人と分かち合いたい」。
貯蔵庫は知人らと利用するほか、毎年2〜3カ月間、小浜市の「とば屋酢店」の酢や「カフェメルカードミサキ」など数社のコーヒー豆の預かり貯蔵を行っている。
「師走頃から誰に言われるでもなく、一人一人が現場を気にかけ、情報を交換し始めるんです」。
そう語る瞳には、仲間への深い信頼が滲む。「みんなの知恵と団結がなければ成し得ないこと。
70歳を過ぎて、気心の知れた同志と一つの目標に向かえることが、何より幸せですね」。
ひんやりと冷気を纏った雪室を背に、岩本さんの言葉の端々には生まれ育った故郷を慈しむ、温かな情熱が宿っていた。
休憩所 助太郎
福井県小浜市上根来9-24
☎090-8263-1132(百里会事務局 川端)
【営】8:00~17:00
【休】日曜・祝日
雪室貯蔵商品の販売・提供店 小浜市「とば屋酢店」「カフェメルカードミサキ」
私のおすすめ“嶺南”スポット
おにゅう峠

岩本さん
福井県と滋賀県の県境、標高約820mの峠から望む景色はまさに絶景です。秋の紅葉も格別ですが、ぜひ見てほしいのが幻想的な雲海。放射冷却が起きる10月下旬から11月の夜明け、一帯が真っ白な海に包まれます。シャッターチャンスを求め、カメラ愛好家からも人気です。
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