「自分らしく、生きる、働く」 福井で働く女性の、それぞれのストーリー 【Part4】

「自分らしく、生きる、働く」 福井で働く女性の、それぞれのストーリー 【Part4】

仕事、家庭、地域、プライベート......

忙しい毎日の中、現代の女性はいくつもの役割を持ちながら生きています。

自分のペースを大切にしながら、自分らしい働き方やキャリアを大切に、そしてプライベートも楽しんでいる、福井で働くそんな女性たちのライフストーリーを紹介します。

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INDEX
◆スタッフと守る
「三つ星クオリティ」 
農業経営者の挑戦と歩み
三つ星株式会社 代表取締役 冨田 美和さん

◆家族を送り出すように
「いってらっしゃい」
女性バス運転士が走る福井の道
京福バス株式会社 運転士(路線バス) 熊木 真澄さん

◆一人ひとりとの面談で成長に伴走
人事部長が語る社員への愛情

株式会社ビジュアルソフト 管理部 部長 畠中 昌代さん

◆18歳で愛知から福井へ 
たくさんの魚と温かい仲間との出会い

株式会社宮島丸 漁師 野澤 琴さん

 

スタッフと守る「三つ星クオリティ」 農業経営者の挑戦と歩み
三つ星株式会社 
代表取締役 冨田美和(とみた みわ)さん
━ 農業でやりがいを感じる瞬間は?

お客様からいただく言葉が励みになっています。

以前、ふるさと納税で当社のトマトを選んでくださった東京の方が、わざわざ会社に電話をくださったことがありました。「こんなに良いトマトは東京じゃ買えないから」と言ってくださって。本当にそんな人はなかなかいないので、びっくりしましたし、お客様に喜んでいただけていることを実感できて嬉しかったです。

また、わたしたちは市場に出すのではなく、すべて「三つ星トマト」の名前で販売しているので、その品質が認められたときは喜びが大きいです。

栽培から選果、出荷まで三つ星品質の管理を常に徹底しています。わたしだけでなく、スタッフも鮮度に対する意識は高く持っていると思います。

━ 働きやすい職場づくりの取り組みは?

従業員一人ひとりの適性に合ったポジションや業務を任せるようにしています。

仕事を任せる際には、わたしの目線だけでなく、ベテランの他のスタッフからの見え方も話し合うようにしています。その人が得意そうなこと、苦手そうなことを話し合いながら、適性を見極めてポジションや業務を任せていますね。

あとは、代表の自分がいなくなっても継続できる「持続性のある組織」を作ることは、法人化したときからずっと考えています。

そのためには、属人化している部分を減らし、仕組みとして会社が動けるような作り方をする必要があります。DX化なども含め、人が変わってもある程度の仕事の品質が保てる組織運営の基盤を固めることに力を注ぎたいです。

個人的な目標ですが、10年後にリタイアできるように、会社をしっかりした組織として育てておきたいと考えています。これは自分を追い込んでいる部分もありますね(笑)

━ プライベートの楽しみはなんですか?

トマトのオフシーズンである冬の時期に旅行することです。

昨年は家族でインドネシアに行ったんですよ。農園ではインドネシアからの技能実習生が働いているので、そのご縁もあって家族で行ってきました。昔から旅行が好きで、若いころは宿も取らずにふらっと海外へ、そんなスタイルで旅行していました。

オフシーズンは家族でインドネシアへ。自然の中で心もリフレッシュ

仕事では、新しいことにチャレンジすることがいきいきと楽しめる理由かなと思います。

去年は、トマトとネギへの「機能性表示食品」の表示の届け出が認められました。実は、これには2年越しで取り組んで、ようやく、という感じだったんです。

ほかにも、ヨーロッパから種を取り寄せてミニキュウリを作って、品目を増やすことにも取り組んでいます。スタッフと協力して栽培試験を重ね、三つ星クオリティをより高めていきたいです。

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


女性だから叶わない夢はありません。慣習や思い込みにとらわれず、まずは一歩踏み出して挑戦してみてください。目の前の仕事が未来を切り拓く力になります。

<企業情報>
三つ星株式会社
福井県坂井市坂井町下兵庫88-14(本店)
福井県坂井市坂井町下兵庫215-21(事務所・ハウス)
TEL:0776-63-6295
ホームページ
Instagram

家族を送り出すように「いってらっしゃい」 女性バス運転士が走る福井の道
京福バス株式会社
運転士(路線バス) 熊木真澄(くまき ますみ)さん
━ トラックからバスへ転職した理由は?

20代で大型トラック運転手として働いた後、結婚や出産、介護といったライフステージの変化で運転の仕事から離れ、接客業に従事していました。子育てと介護が落ち着いたころ、自分の父親の仕事でもあった路線バス運転士に挑戦することを決意しました。

トラックを降りてから25年以上期間が空いていましたが、「やらないで後悔するより、やって後悔したい」と思い、とくに不安はありませんでした。

物流を扱うトラックとは違い、路線バスにはお客様との温かい交流があり、地域に貢献できる実感が大きな励みになっています。人の命を預かる責任を感じながらも、やはり運転の仕事が自分に向いていると再確認しました。

━ 運転士として働く中で、印象に残った経験は?

乗務を始めて間もないころ、バス停で倒れているお客様を発見しました。

お客様は80代の男性で、「このバスに乗りたい」と病院行きを強く拒まれましたが、体調から緊急性が高いと判断し、救急車を呼ぶことにしました。ほかのお客様も、身元確認などを手伝ってくれて、協力してその場に対処しました。救急車を呼んでくれたのは高校生の男の子でしたね。

バスの運転の仕事以外でも、運転士は免許が商売道具ですから、「家に着くまでが仕事」だと考えて、常に安全への意識を高く持つようにしています。休みの日にしっかり身体を休めたり、リフレッシュしたりすることも仕事の一部だと思っています。

休みの日には、パンやケーキを作って同僚へおすそわけ

推しはレッサーパンダ!西山公園へ会いに行くときも・・・

━ 男性色の強い職場で女性運転手として働いていてどう感じますか?

運転手、とくにバスの運転手は男性が多い職業です。タクシーやトラックの運転手は女性も増えてきていますが、バスはまだまだ男性色が強いと感じます。

道を走っていると女性運転手が目立つこともあり、安全運転はもちろん、歩行者に道を譲るなど、いわゆる模範的な運転をするように心がけて走っています。バスが止まれば、ほかの運転手も「あ、歩行者かいるんだな」と止まってくれるようになるので。

バスに乗ってこられるのは子どもや高齢のお客様が多いんですね。子育てや介護がひと段落した今、そういったお客様たちに対して優しく接することができていると感じます。

「いってらっしゃい」「熊に気を付けてね」とか、家族を送り出すような気分になりますね。

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


誰かと比べて焦る必要はありません。やりたい思いがあるなら、自分を信じて一歩踏み出してみてください。福井には温かく支えてくれる仲間がいます。あなたの経験が生きる場も広がっています。

<企業情報>
京福バス株式会社
福井市日之出5-3-30
TEL:0776-57-7700
ホームページ

一人ひとりとの面談で成長に伴走 人事部長が語る社員への愛情
株式会社ビジュアルソフト
管理部 部長 畠中 昌代(はたなか まさよ)さん
━ 入社を決めたきっかけは何ですか?

当時は子どもがまだ保育園児で、子育てとの両立に悩み、半年ほど転職活動を続けても就職先が決まらず、諦めかけていました。以前の職場は働き方がきっちり決まっていたため、急な休みが必要な私の条件では難しいと焦っていたんです。

そんな時、弊社の社長との採用面接で「出社時間や休暇は育児に合わせてもらえば問題ないですよ。どういうふうにすれば働けるかを考えていきましょう」と言っていただきました。

他社では残業に関する質問ばかり受けていたため、この言葉は本当に心強かったですね。時間で区切るのではなく、やれることをやってくれればいいという会社の柔軟な風土に助けられてきました。この社長への感謝の気持ちが、今も仕事の原動力です。

━ 人事担当として、今注力している課題を教えてください。

若手の定着です。IT業界でも他業界と同じく定着が年々難しくなっています。独立や、スキルアップのために都心のフルリモートの会社へ転職するケースも多いです。

早期離職を防ぐため、仕事内容や福利厚生だけでなく、ストーリーやビジョンを伝えて、同じ目標に向かうことを大切にしています。

「ビジュアルソフトで長く働くと、こんな風に成長できるよ」というストーリーを描いて、将来的にどう活躍してもらいたいかビジョンを示す、ということです。これが弊社の「攻めの人事」なのかなと。

入社後3年経つまでは、半年ごとにわたしが一人ひとりと面談を行っています。仕事の悩みはもちろん、プライベートな話を聞くことも多いです。たくさんの社員の話を聞くのは時間もエネルギーも使いますが、部長になってから4年ずっと続けています。

2022年11月、同業5社で「ITラボふくい」を設立。共創で採用の新しい形に挑戦

━ 社員の皆さんとの関わりで、大切にしている姿勢は何ですか?

愛情をもって一人ひとりと関わることです。先ほどお話した面談では、会社には対処しきれないような話であっても、わかったよ、と一旦受け止め、信頼関係を築くことを心がけています。

「女性管理職だからこその話しやすさ」もあるかもしれませんが、信頼してもらえているなと思うときはうれしいですね。

また、親しみを持ってもらえるよう、会社のレクリエーションには積極的に参加しています。

今日も気持ちよくスイング!

趣味のゴルフに社員と行くこともあります。わたし自身、会社のことも社員のことも本当に好きなので、愛情をもって仕事に取り組んでいます。

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


先がどうなるかわからないと言われる時代、いろいろな仕事がAIに淘汰されるなかで、キャリアを積んでいこうと思ったら自分でなにかを創造することが大切だと思います。自分自身を豊かにするために、スキルや価値観を鍛えることをどうか楽しんでいってもらいたいです。

<企業情報>
株式会社ビジュアルソフト
福井県福井市八重巻町314
TEL:0776-56-3636(代表)
ホームページ

18歳で愛知から福井へ たくさんの魚と温かい仲間との出会い
株式会社宮島丸 
漁師 野澤 琴(のざわ こと)さん
━ 漁師の仕事を選んだきっかけは何ですか?

小さいころから魚が好きで、市場でアルバイトをしていたときに「漁師ってかっこいいなぁ」と憧れるようになりました。

福井で若者の就労支援の制度があると聞いて、愛知から電話しました。18歳のときでした。そうしたら担当の方が「宮島丸、という船が求人を出しているよ」とすぐに教えてくれて。まずは体験乗船をして、その日のうちに物件も探しに行って、フットワークの軽さには自分でも驚きますね(笑)。

家族も福井が好きで、よく遊びに来ていたため、福井移住に不安はなかったです。社長をはじめ福井の方がとても優しく、物件探しから生活面までサポートしてくださったおかげで、スムーズに生活をスタートすることができました。

━ 日々働く中で、感じるおもしろさややりがいは何ですか?

季節によって取れる魚が変わるのがおもしろいです。秋が来たな、冬が来たなと、海を通して季節を感じられることが好きですね。

マンボウやカジキ、真っ赤なカニなど、なかなか見られないような珍しい魚に出会えるのも、この仕事の醍醐味。先輩が「この魚珍しいよ」と網にかかった魚を見せてくれたり、イカの餌やりに連れて行ってくれたりすることもありました。

一番好きな作業は、網から魚を取って仕分けする作業です。見たことのない魚が多くて、楽しいんですよね。休みの日も水族館に行ったり、太刀魚を釣りに行ったりしています。

休みの日も大好きな海へ。知り合いと楽しむ太刀魚釣り

 

全国各地の水族館へ。鳥羽水族館がおすすめです!

━ 今後、身につけたいスキルや挑戦したいことは何ですか?

もっといろんな魚の種類を知れたらいいなと思っています。漁に出ると、ここでしか見たことがないような珍しい魚がたくさんいるので、魚の知識を深めたいです。

それから、できる仕事を増やしていきたいですね。魚の鮮度を保つための活〆を習得したり、先日免許を取得した船の運転を任せてもらったりしたいです。あとはクジラを見てみたいです。1トンくらいの大きなクジラがときどき網にかかるそうなので、いつか会えたらなぁと思っています。

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


「やりたい!」と感じたら、まずは一歩踏み出してチャレンジしてみてください。不安があるかもしれませんが、福井の人は優しく温かく迎え入れてくれます。

<企業情報>
株式会社宮島丸
福井県三方郡美浜町日向40-29
TEL:0770-32-2235

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

ふーぽ編集部
writer : ふーぽ編集部

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