「自分らしく、生きる、働く」 福井で働く女性の、それぞれのストーリー 【Part3】

「自分らしく、生きる、働く」 福井で働く女性の、それぞれのストーリー 【Part3】

仕事、家庭、地域、プライベート......

忙しい毎日の中、現代の女性はいくつもの役割を持ちながら生きています。

自分のペースを大切にしながら、自分らしい働き方やキャリアを大切に、そしてプライベートも楽しんでいる、福井で働くそんな女性たちのライフストーリーを紹介します。

「自分らしく、生きる、働く」 福井で働く女性の、それぞれのストーリー
【Part1】の記事はこちら
【Part2】の記事はこちら

INDEX
◆「管理栄養士+α」の視点で
広がっていく可能性
キャリアも子育ても自分らしく前へ 
社会福祉法人 福泉会 管理栄養士 浅井沙知さん

◆産後うつを乗り越えて
足もみとカウンセリングで
心と身体を支える
株式会社このは整氣堂 代表取締役 若林みゆきさん

◆オンもオフも全力投球
現場に立ち続けて人を育てる
リーダーシップのあり方
新田塚コミュニティ株式会社 代表取締役社長 塩田恵子さん

◆家業を支え、資格を取得
設計は未来への提案
暮らしを支える建築士という働き方
株式会社マツエイ 設計課 課長 松村孝子さん

 

「管理栄養士+α」の視点で 広がっていく可能性 キャリアも子育ても自分らしく前へ
社会福祉法人 福泉会
管理栄養士 浅井沙知さん
━ 高齢者福祉施設の管理栄養士として働くことになったきっかけは?

管理栄養士の資格取得後、給食受託会社で働いていましたが、実際に食べる方と直接触れ合い、ケアしたいという思いから、高齢者福祉施設で働き始めました。

施設には経験豊富な介護スタッフや看護師の方々が多く在籍しており、未熟な自分がその中でやっていけるのかとても不安でした。最初は「できることから始めよう」と考えながら、仕事に向き合っていました。

ご利用者様の食事の管理はもちろん、パソコン作業が得意だったため、広報誌や研修用スライドの作成にも取り組み、業務の幅を広げるうちに、他の職種のスタッフとも自然と関わる機会が増え、仕事のしやすい環境づくりにも貢献できるようになりました。

━ 子育てと仕事の両立をどうやって乗り越えていますか?

子どもが小さいうちは、体調不良で仕事を休まざるを得ないことも多く、「周りに迷惑をかけてしまっているのでは」と、自分を責めることもありました。でも、そんなとき、支えてくれたのは職場の仲間や家族でした。保育園の先生や両方の実家の家族の協力を得ながら、無理なく両立できる方法を模索してきました。

また、大学卒業時に管理栄養士に加え、社会福祉主事任用資格を取得しました。その後、将来のキャリアを見据え、勤務しながらケアマネージャーの資格も取得。これらの資格を得たことで、新たな仕事の選択肢が広がっただけでなく、利用者やご家族と関わる視点も増えました。

「栄養士としての役割」にとどまらず、「人の生活全体を支える視点」を持つことで、仕事の幅が大きく広がったと感じています。

休日は子どもたちと外出することが多く、大学時代を関西で過ごしたこともあり、時々友人に会いに関西へ遊びに行くことも

━ これからの目標は何ですか?

仕事も子育ても、どちらも完璧にこなすことはできません。でも、「できることを少しずつ積み重ねる」ことで、今の自分があるのだと思います。

子育てをしながら、「もっと一緒にいるべきではないか」と悩むこともあります。しかし、子どもの成長する姿を見ているうちに、「わたしも成長したい!」と思うようになりました。これからも、管理栄養士としての経験を生かしながら、新しいことに挑戦し続けていきたいと思います。

今後は、より専門性を高めるために、研修や学びの機会を増やし、最新の栄養学や食事ケアの知識を常にアップデートしていきたいと考えています。また、管理栄養士としての役割を広げるために、地域の人々との交流の場を増やし、多職種と連携しながら、新たな視点で栄養の仕事に取り組んでいきたいと思います。

昨年12月に東京で開催された全国軽費老人ホーム協議会では東海北陸ブロックの代表として発表し、最優秀賞を受賞

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


完璧を求めなくても大丈夫です。できることを少しずつ積み重ねることで、必ず前に進めます。自分を責めすぎず、周りのサポートを受け入れながら、一緒にがんばりましょう!

<企業情報>
社会福祉法人 福泉会
福井県福井市寺前町4-14-2
https://www.fukusenkai.jp/

産後うつを乗り越えて 足もみとカウンセリングで 心と身体を支える
株式会社このは整氣堂
代表取締役 若林みゆきさん
━ 産後うつを経験し、どのように今の仕事にたどり着きましたか?

前職で働きながら三男を出産し、育児休暇を経て会社に復帰しました。しかし、9歳・7歳・1歳の子どもを育てながら働く日々は、想像以上に大変で、育児、家事、仕事の負担が一気に増え、気づけば産後うつのような状態になっていました。

心も体も限界を感じていたとき、偶然出会ったのが「足もみ」でした。施術を受けると、血流が良くなり、体がぽかぽかと温まるのを感じました。不思議と心まで軽くなり、「また明日も頑張れるかもしれない」と希望が湧いてきたのです。

この経験が転機となり、同じように悩む女性を支えたいという思いから、足もみとカウンセリングを組み合わせたサロンを開業しました。

━ どのように仕事と家庭のバランスを取っていますか?

最終的に、自分の収入は自分自身で決めるものだと考えています。会社勤めでも自営業でも、働き方や仕事量を決めるのは自分次第です。

特に自営業では、「どこまで働けるのか」「今年はどれくらいの収入を目指すのか」といった目標を、自分自身で明確に設定する必要があります。そのため、毎月・毎年の環境の変化に応じて計画を立て、目標達成に向けて努力することが大切だと考えています。

また、そのためには、仕事だけでなく家庭の環境を整えることも欠かせません。仕事に集中するためには、家族の理解と協力が不可欠です。だからこそ、家族とのコミュニケーションを大切にし、支え合える関係を築く努力も必要だと感じています。

仕事と家庭のバランスを取りながら、自分に合った働き方を見つけることが大切だと考えています。

出張先でも欠かせないのはワイン。毎晩晩酌しながら、『今日も最高だった、私!』とご褒美の一杯。

━ 今後はどんなビジョンを描いていますか?

今後は、より多くの女性が「無理なく、自分らしく」働ける環境を整えることを目指しています。産後の女性は、心身ともに不安定になりやすい時期です。そんなときに、気軽に頼れる場所として、足もみとカウンセリングを提供し続けていきたいと考えています。

また、同じように女性の健康を支えたいと考える仲間とつながり、学び合える場を築くことも目標の一つです。一人ひとりが自分のペースで働きながら、互いに支え合える環境があれば、女性がもっと活躍しやすくなるのではないかと考えています。

着物を着るときが、一番女性らしくいられる時。大切な日はいつも着物で。

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


まずは自分自身を大切にしてください。女性はつい家族や仕事を優先しがちですが、自分が元気でなければ、大切な人たちを支えることもできません。自分が元気になれば周りの方にもそれを渡すことができますので。そしてそのパワーでどんどんチャレンジしてみてほしいです!

<企業情報>
株式会社このは整氣堂
福井県鯖江市田村町4-31-8
https://konoha-seikidou.com/
https://ashitubo-konoha.com/

オンもオフも全力投球 現場に立ち続けて人を育てる リーダーシップのあり方
新田塚コミュニティ株式会社
代表取締役社長 塩田恵子さん
━ どのように代表取締役のキャリアを築いてきましたか?

はじめはスイミングスクールのインストラクターとして働き始めました。体を動かすことが好きで、人に教えることにやりがいを感じていました。

しかし、子育てのために一度退職。その後、復帰して契約社員として働きながら、マネージャー職を任されました。そこからは「やると決めたらやる!」という強い意志で、一つひとつの仕事に全力で取り組みました。気づけば管理職となり、最終的には社長という立場を任されるまでになりました。

社長となった今も、基本的なスタンスは変わりません。シフトが回らないときは、自ら現場に立ち、指導にあたることもあります。インストラクター時代から、「どうすればこの仕事をもっと良くできるか?」を常に考え続けてきました。その積み重ねが、今の経営スタイルにつながっています。

やっぱりジャージ姿が一番動きやすくて好き。社長になった今でも、利用者さんと気軽に話せる環境を大切にしている。

━ 仕事と家庭の両立をどのように乗り越えてきましたか?

かつては産休・育休の制度が整っておらず、今振り返ると、子育てと仕事の両立は本当に大変でした。だからこそ、今は社員が安心して働ける環境を整えたいと思っています。

仕事に夢中になるあまり、家庭とのバランスが崩れることもあります。夫も同じ職場で働いていますが、家庭では仕事の話をしないことが、我が家のルールです。以前は仕事のことで衝突することもありましたが、今ではしっかり線引きをし、お互いの時間を大切にするようになりました。

旅行が好きで、飛行機に乗ることが、仕事のオンオフを切り替える良い気分転換になっています。海外のフィットネス展示会を訪れ、新しいトレンドを学びながら、心身をリセットする時間を大切にしています。

夫とのホノルルマラソンも良い思い出。二人で励まし合いながら完走した達成感は格別!

━ インストラクター経験を生かしたリーダーシップとは?

現場での経験があるからこそ、社員の気持ちがわかります。インストラクターの仕事は体力的にハードで、急な欠員が出ることも少なくありません。しかし、「社長だから」と指示を出すだけではなく、自ら現場に入り、シフトを支えることを大切にしています。現場の状況を把握し、社員と同じ目線で働くことが、チームの信頼関係を築く上で欠かせないと考えています。

スタッフ一人ひとりが働きやすい環境を整えることも、リーダーの大切な役割の一つです。特に子育て中のスタッフが、気兼ねなく育児と仕事を両立できるよう、制度を整えていきたいと考えています。今後は、男性の育休取得をさらに促進し、性別に関係なく誰もが働きやすい職場づくりを目指していきます。

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


やりたいことがあるなら、思い切って一歩踏み出してみてください。環境が整うのを待っているだけでは、なかなか前に進めません。少しずつでも挑戦し続けることで、道は開けていきます。福井の女性は、勤勉で粘り強く、努力を惜しまない方が多いと感じています。自分の可能性を信じて、やりたいことに向かって進んでほしいです!

<企業情報>
新田塚コミュニティ株式会社
福井県福井市新田塚1-1-1
https://www.nittazuka.com/community/

家業を支え、資格を取得 設計は未来への提案 暮らしを支える建築士という働き方
株式会社マツエイ
設計課 課長 松村孝子さん
━ 子育てをしながら1級建築士の資格を取るためにしたことは?

もともとは夫の会社を手伝うつもりで入社しました。当初は本格的に働くつもりはなく、「少し手伝うだけ」と考えていました。しかし、夫に「どうせやるなら資格を取れば?」と勧められたことをきっかけに、2級建築士の勉強を始めました。さらに「1級も取ったら?」と背中を押され、日中は仕事をこなし、夜は家事や育児をしながら勉強を続けました。

幼い頃から絵を描くことが得意だったため、図面を描く作業にも楽しさを感じていました。勉強時間は、子どもが寝た後の夜9時や10時から。眠くなるまで図面を描き続ける日々が半年以上続きました。試験前は、1日1枚の図面を仕上げることをノルマにし、徹底的に練習。当時は女性の建築士が少なく、試験会場でも女性の受験者はほんのわずかでした。それでも、「やると決めたからにはやる!」という強い意志を持ち、乗り越えました。

━ 設計で大切にしていることはなんですか?

設計をするうえで、私が大切にしているのは「10年先、20年先を見据えた提案」です。例えば、まだ子どもがいないご夫婦が家を建てる際には、「将来的に子どもが増えたときに備えて、部屋を区切れるようにする」といった提案をします。また、暮らしやすさを重視し、家事動線にもこだわっています。例えば、洗濯機を物干し場の近くに配置する、サンルームに洗濯機を設置したこともあります。収納スペースを使いやすい場所に設けるなど、日々の生活が少しでも楽になるような工夫を心がけています。

住宅設計は、家族の暮らしに深く関わる仕事です。細やかな視点で動線を設計し、収納の工夫を提案することで、より快適な空間と豊かな未来を創造できると考えています。

生活者視点で考え、各家庭に合った家づくりを提案している

━ 女性が働きやすい職場はどんな職場だと思いますか?

建築業界は依然として男性が多いですが、女性が活躍できる環境を整えることが重要だと感じています。私の職場でも、若いインテリアコーディネーターの女性が活躍しており、彼女にも「ぜひ資格を取得してほしい」と考えています。設計の知識を深めることで、より多角的な視点を持ち、仕事の幅が広がるからです。

また、子育てをしながら働くスタッフが増えるなかで、柔軟な働き方を導入し、サポート体制を整えることも欠かせないと考えています。子どもの急な体調不良で休まなければならないときでも、気兼ねなく休める環境を整えること。育児や家庭と両立しながらキャリアを築ける職場環境を整えることが、これからの課題だと考えています。

ハンドメイドが好きで、カバンや洋服を自作。大島紬の着物もリメイクし、最近では夫との旅行も楽しみのひとつ。

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


夢を叶えるためには、努力が欠かせません。しかし、「好き」という気持ちがあれば、どんな環境でも挑戦し続けることができます。限られた時間のなかでも工夫次第で、キャリアも家庭も両立することはできるはず。自分の可能性を信じて、一歩ずつ前へ進んでいきましょう!

<企業情報>
株式会社マツエイ
福井県福井市栗森2丁目2305
https://www.matsuei.biz/

【本企画に関するお問合せ】
福井県未来創造部女性活躍課
福井市大手3丁目17-1
0776-20-0319
▶女性活躍課ホームページ
▶ふくい働く女性応援サイト

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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