「正解がないクリエイティブに、“答え”を出し続けることが大事。」アートディレクター・戸田正寿さん【ふくい人に聞く】

    「正解がないクリエイティブに、“答え”を出し続けることが大事。」アートディレクター・戸田正寿さん【ふくい人に聞く】


    ※福井県ゆかりのさまざまな人たちにインタビューする連載です。 

    アートディレクター
    戸田 正寿さん

     

    坂井市三国町出身のアートディレクター戸田正寿さん。

    広告の世界で一時代を築き、ポスターなど作品の多くが海外の美術館で所蔵されるなど国際的な評価を受けています。

     

    2018年には、故郷三国町にユニークな私設美術館をオープン。

    新型コロナウイルス流行後は福井に滞在しながら、新しいクリエイティブに意欲を燃やしています。


       

      坂井市三国町安島の高台にある私設美術館「brilliant heart museum」。

      乳白色の部屋に入ると、横長の大きな窓に切り取られた、まるで一枚の絵画のような雄島の姿に圧倒される。


      「若い頃から親しんできた雄島の風景を、 自分の“作品”として広く発信したい。そんな思いから、これまでのクリエイティブの集大成としてここを作ったんです」 と戸田さんは話す。

      壁や天井に配した特殊なカットのガラスが室内に無数の虹を生む。

      窓の大きさや位置、机の配置などミリ単位のこだわりが、神々しさすら感じさせる空間を成立させている。

      「brilliant heart museum」は県外からの注目も高い。縦1.5m、幅4mの窓を通し、季節や天候、時間帯によって変化する雄島を眺めながら、抹茶やワインを楽しめる。 4月1日~11月30日の土日祝のみ開館。入館料2,000円(要予約)

      【⇒公式HPはコチラ

       

      三国高校時代、美術部の顧問だったジャンクアートの世界的巨匠・小野忠弘氏に圧倒的な影響を受けたという。

      「小野先生からは、 既成の考え方を徹底して疑う態度を教えられました。『常識は創造の敵』という言葉をずっと大事にしています」。

       

      その後、東京の専門学校を経て、当時全盛期だった広告業界に飛び込むと、次々と大ヒットを飛ばした。

      戸田さんの代表作の一つ、「サントリーローヤル・ランボオ篇」のポスター。作品そのものを大胆に破いて壊すという1980年代当時では考えられない発想で作られ、今なおその斬新さが語り継がれているサントリーローヤル(ランボオ)1982年 ©Seiju Toda

       

      サントリー缶ビールのCMで松田聖子さんの歌声と共に登場するペンギンのキャラクターや、 サントリーローヤル 「ランボオ篇」 の破られたようなビジュアルのポスターなど、今も多くの人の記憶に強烈な印象を残す作品も数多い。

       

      「あの頃はクリエイターにも企業にも 『最先端の表現を生み出そう。 新しい文化を担おう』 という意欲が溢れていて、 世界を相手に発信していました。今は広告の世界もこぢんまりとして面白くなくなってしまったね」

       

      長年第一線で活躍してきた経験から、クリエイターに大切なのは「どこにも正解がないものに答えを出し続けること」だと語る。

      そして自分の“正解”に自信を持つためには「若い頃から一流のもの、本物に触れ続け、常に努力と勉強を続けなければいけない」と力を込める。

       

       

      東京を拠点に福井と行き来しながら活動してきたが、 新型コロナ流行後は東京には行っていない。

      おかげで福井の自然や人と向き合う時間が増え、愛着を強く感じるようになったという。

      また越前和紙や漆器、眼鏡など福井の伝統産業の若い職人やデザイナーたちの奮闘を知り「何か後押しができたら」と考えるようになった。

       

      2年後に県内で大規模な個展の開催も計画している。

      「これからは積極的に福井に関わりたい。これまで私がやってきたことと若い世代の活動が交わり、さらに新しいクリエイティブが生まれると面白いですね」

       

      戸田 正寿(とだ せいじゅ)

      1948年、坂井市三国町生まれ。
      三国高校卒業。高島屋宣伝部、日本デザインセンターを経て1976年に戸田事務所を設立。
      三宅一生ファッション広告、伊勢丹CI、雑誌「AERA」表紙、洞但湖サミット会場アートディレクションなどに携わる。
      海外広告賞の受賞も数多く、ニューヨーク近代美術館ほか世界30の美術館に作品が収蔵されている。

       

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      ※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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