こんにちは! ふーぽ編集部のJINです。
福井県福井市在住の作家・宮下奈都さんが、福井新聞社発行の「月刊fu」で連載しているエッセー「緑の庭の子どもたち」は、みなさんご存じでしょうか。
そのエッセーに毎回素敵な挿絵を描いているのが福井県勝山市在住のイラストレーター・森石おまりさんなんです。
今回、連載約4年分となる55回の挿絵を展示する展覧会が、福井市立図書館前の「じっぷじっぷ 文京店」(福井市文京2-8-11)で4月21日(土)~4月30日(月・祝)まで開かれるというので、さっそく会場にお邪魔してきましたよ。
「月刊fu」に連載している宮下奈都さんのエッセー「緑の庭の子どもたち」は、宮下家のそれぞれ個性ある3人の子どもたちを主役にしながら、毎回何気ない日常の中のさまざまな出来事を描く内容です。
約4年前の連載当初から、エッセーの世界観を彩ってきたのがおまりさんの挿絵。「文章とこの絵がセットになってこそ一つの作品」と話すファンも人いるほどです。
さあ、「じっぷじっぷ 文京店」1階の一番奥にあるらせん階段を登り、2階の展覧会会場へ。
おおー、おなじみの挿絵がズラリ。優しいタッチだけれど色合いがすごく華やかで、これだけ一堂に並ぶ様子は壮観ですね。
おまりさんがこの挿絵を描くのに使っている画材は、黒い縁取りには顔料ペン、色の部分は色鉛筆だそう。
近くでよく見ると、色鉛筆でさまざまな色を重ね塗りしている筆遣いがよくわかります。繊細なタッチですね。
制作のスケジュールをお聞きすると、だいたい締め切り2週間前までに宮下さんから原稿が届くとのこと。
「まずは原稿をじっくり読むことから始めます。宮下さんの言葉の使い方や文章の醸し出す優しい雰囲気が好きで、毎回毎回必ずと言っていいほど号泣してしまうんです。時には、宮下さん本人から『泣くところあったっけ?』と不思議がられるときもありますね(笑)」とおまりさん。
一通り文章を味わい、その世界にどっぷりと浸った後、今度は自分の感情をしっかりクールダウンしてから制作に取り掛かるそうです。
「宮下さんの原稿の結論をそのままネタバレして絵に現すのではなく、少しポイントをずらして、かつ読みたくなるよう内容を想像してもらえるように心がけていますね」
繊細な色合いの表現が要となるので、制作をするのは太陽の光が差す日中の間だけで、夕方以降は作業を中断するのも大きなこだわりです。
展覧会会場には、月刊fuの全掲載ページの切り抜きファイルが置いてあるほか、特に挿絵と一緒に文章を味わってほしいという回がパネルにして並べてあります。
また、1階の書店には連載の大部分を一冊にまとめた文庫本「緑の庭で寝ころんで」も販売していますよ。
作品と一緒に写るおまりさん。石粉粘土を使って作品を作る人形作家でもあり、会場にはカラフルな立体造形作品も並びます。
開幕前日の20日(金)には、宮下奈都さんも会場を訪れました。宮下さんも挿絵の原画が並ぶのを見るのは初めてということで、色合いの美しさに驚いていたそうです。
開催期間中、特に土・日・祝日はおまりさんも会場にいることが多いので、ぜひ挿絵やエッセーの内容などについてゆっくりお話してみてはいかがでしょうか。
開催時間は 月~土曜日は10時~20時、日・祝日は13時~19時。入場は無料です。
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