さて、回ってきましたバトンは「同業者だけが納得する僕の職業病」です。
なるほど。
とはいえ、そもそも編集者という仕事があまり一般的ではないですよね、と思います。
セミナーであったり、大学の講義であったりで、編集についてお話させていただくことは多々ありますが、やはり「編集とはなんぞや」がとても分かりづらい、伝えづらいという印象があります。
編集=企画みたいな勘違いをされている方もいらっしゃいますしね。

編集とは、読んで字のごとく「集めて編む」なんです。
あちこちからパーツを集めてきて、それを組み立ててなにかを作る。
そういう作業ですね。(スマホの写真アプリで編集、っていうのがあるのがまたややこしいですけど)
実際には、取材先であったり、ライターさんやフォトグラファー、デザイナーなどの外部スタッフ、そして販売部やら広告部やらとの調整役が編集の実務ではないでしょうか。
スーパー雑用の人、と言ってみたりしてます。
なので、
《職業病 1》やたらと周囲に気を遣ってしまう、があります。妙に仕切ってしまう、と言い換えることも可能です。
プライベートな遊びの場でも、例えば旅行の計画がふわーっとして決まらない時とかに、「こういう風にスケジュール組んだらスムーズじゃない?」と提案しがち。
そして、知らぬ間に参加者全員の調整役になってたりします。
個人的に旅は超絶無計画派なのは、仕事の反動なのかもしれません。
《職業病 2》これは想像に難くないと思いますが、街中などでなにかしらの文章を読んだり制作物を見ていて、ついつい誤字脱字、誤植を発見しがち。
最近多いのは、画素数が足りてない画像がはまっていたりなんてのも多いです。
こういう間違いに気付く人はそれなりにいると思いますが、見つけてからの心の動きは編集者ならではかと。
それは、そういうのを見つけてしまうと、他人事ながらとても暗い気持ちになります。
これ、やらかした本人もショックだし、クライアントからめちゃくちゃ怒られただろうな、と想像してしまって、勝手にどんよりしております。
一方で、なんでこんなクオリティのものが企画会議通ったんや! と思うような作品に遭遇することもあります。
いずれにせよ、いろんな事情があるんでしょう。
制作の裏側が見えてしまうので、何を見ても作った経緯を考えてしまいます。
《職業病 3》「これ見といた方がいいな」「これ食べといた方がいいな」で、物事を選びがちです。
自分の趣味嗜好とは関係なく、例えば新メニューであったり、新商品であったり、特に気にはなってないけど新店を見つけたら、つい入ってみる。
というような習性があります。
なので、友達とご飯に行くにしてもロケハンを兼ねるような店選びをしたり、家族で旅行に行っても、なにかネタになりそうな場所を選んだり、メニューを選んだりしてしまいがち。
そこまで使命感があってやってるわけでもないんですが、ついつい、ね。
最後に、職業病というより特技っぽいですが、長年やっていると、だいたいの目算で目標の文字数で原稿が書けます。
いまも、だいたい原稿用紙3枚目かな、と思って書いてます。(数えたらここまでで1328文字でした)
同じ店原稿でも、200文字なのか400文字なのか、でざっくり書き分けられます。
肉屋の人が、ミンチを目算で200g測れるのと同じだと思います。
そんなこんなで編集者をやらせていただいております。
特に大阪にフォーカスした話になっておらず大丈夫でしょうか。(こういうことを考えてしまうのも編集者っぽい)