“風景画の森”でピクニック♪「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり ~コローから印象派へ~」が福井県立美術館で3/21(日)まで開催中です!

“風景画の森”でピクニック♪「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり ~コローから印象派へ~」が福井県立美術館で3/21(日)まで開催中です!

こんにちは、旅好きふーぽ編集部のMKです。

春の陽気を感じ、お出かけしたくなりますね。

海外はおろか、県外にもお出かけしにくい今、絵画の巨匠たちが19世紀のヨーロッパ各地の街並みを描いた風景画展で妄想ピクニックしませんか。

2021年3月21日(日)まで福井県立美術館で
「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり ~コローから印象派へ~」が開催中です。

名画の宝庫として名高い、フランス・シャンパーニュ地方にある「ランス美術館」選りすぐりのコレクションを中心に、油彩画と版画計76点が大集合していますよ!

MK
早速ですが、担当学芸員の野田さん! 見どころを教えてください!
野田さん
本展はコローらバルビゾン派からブーダン、そしてモネやルノワールなど印象派へと展開していく、フランス風景画における”変化の時代”を感じられる構成になっています。

また、油絵はアクリルやガラスケースを設置していない「裸絵」なので、細かいタッチや息づかいを感じていただけますよ!


 MK 
 タイトルにある“風景画のはじまり”って、どういうことですか?


 野田  実はフランス絵画の世界で「風景画」が確立し、認められたのは19世紀のこと。

まだ200年ほどしかたっていないんです。


 MK 
 意外です! 美術の時間に写生して風景画を描くのは当たり前だったので。


 野田  そう、その当たり前が当時は革新的な発明でした。

産業革命が起こり、絵画にも新しい道具、新しい考え方が芽吹いた。

絵画カーストで最下層だった風景画が下剋上を果たしました。


 MK   戦国時代みたいですね! 何だか面白くなってきました。


 野田 
ピクニック気分で絵の中の風景を愛でるのももちろん楽しいのですが、少し予備知識があると一点一点、見え方が違ってくると思いますよ。

野田さん
それでは、作品とともに風景画が面白くなる注目ポイントをご紹介しますね。

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875)「イタリアのダンス」

テオドール・ルソー(1812-1867)「沼」


 野田 
18世紀から19世紀はじめにかけて、絵画の頂点は歴史画でした。

画家たちは革新を試み、自然の中に人物を溶け込ませる写実的な風景画を生み出します。

鉄道の発達やチューブ入り絵具の発明も彼らを助けました。


 MK  写生することも革新的だったとか?


 野田  戸外にイーゼルを立てて描く「写生」が広まり、パリ近郊の“バルビゾン村”に風景画家たちが集いました。

そのなかに風景画の先駆者ともいえるカミーユ・コローがいました。

第1章「コローと19世紀風景画の先駆者たち」ではコローを中心に、第2章「バルビゾン派」では風景画を刷新させたルソーやトロワイヨンらの作品を展示しています。


 MK  第1章と2章の違いってなんでしょう?


 野田  例えば、このコローとルソーの絵。

コローの絵には自然と人物の調和が感じられらます。一方のルソーは、人と自然が対峙しているリアリティがある。


 MK  なぜそんな違いが?


 野田  仕上げを屋内で行っていたコローは、作品のバランスとして枝ぶりなどに手を加えていたのではないでしょうか。

対してルソーは屋外で仕上げていた目で見た風景をありのままに描いていたと思います。


 MK  なるほど。言われてみれば!

この展示の楽しみ方として、章ごとに徐々に変化していくことを意識しながら見るのも面白そうですね。


 野田  はい、行きつ戻りつしながら鑑賞していただくのがおすすめです。

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875)「森の中の大きな騎手」


 野田 
続いて第3章は「画家=版画家の誕生」

19世紀、版画技術も進歩し、当時の画家たちも版画制作に取り組みました。

写真が登場してはいましたが、この頃の複製メディアは版画が主流。

そのおかげで、特権階級だけのものだった絵画が、さらに一般の人々に受け入れられるきっかけにもなりました。


 MK  日本でいう浮世絵みたいですね!

モノクロだけど、精緻なタッチで描かれていて、味わい深い。部屋に飾りたいです。

ウジェーヌ・ブーダン(1824-1898)「上げ潮(サン=ヴァレリの入り江)」


 野田 
第4章は「ウジェーヌ・ブーダン」

若き日のモネを野外制作に導き、コローには「空の王者」と呼ばれ、「印象派の先駆者」ともいわれる風景画における重要人物です。


 MK  そしてまたの名を「空のラファエロ」だそうですね! その心は?


 野田  彼は絵の中で光を追求し、瞬間を表現するため、「大空の中で泳ぎ回ること。雲の繊細さに到達すること。遥か彼方の灰色がかった靄(もや)の中に雲の塊を配置し、青空を輝かせること」を求めたと日記に書いています。

天気の変わり目のドラマティックな瞬間を描くため、急いで描く感じが筆致にあらわれているので注目を!

クロード・モネ(1840-1926)「ベリールの岩礁」

ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919)「風景」


 野田 
最終章となる第5章は「印象主義の展開」

「筆触分割(ひっしょくぶんかつ)という技法で光の印象を描いた印象派の巨匠であるモネ、ルノワール、ピサロの作品を間近で体感できます。


 MK  第1章から数十年で、画面がずいぶん明るくなりました! 

ところで「筆触分割」とは?


 野田  絵具を混ぜず、塗り重ねもせず、原色のまま細かい筆触を重ねて画面を構成する方法です。

印象派の作品を近くで見ると分かりますよ。

印象派の画家たちは鮮やかな色彩を用いて光を表現し、日常生活を描きました。

彼らは一定の視点から一日の異なる時間帯の光が生み出す色彩を研究するため、複数のカンヴァスを並べて制作したといわれています。


 MK  絵画に光と瞬間を切り取る。

その執念のような熱意が動きのある筆致からひしひしと伝わってきます!

MK
解説、ありがとうございました!
野田さん
天井から透過性のあるバナーを配置したり、壁紙などの装飾は明るく、光と風が通り抜ける仕様になっています。

ぜひその開放感も楽しんでくださいね。

美術館のロビーにかかるバナー。晴れた日の正午前後に、光の道が出来る仕掛け


そして…、風景画ピクニックのあとには、甘いものを。

美術館お隣の「美術館喫茶室ニホ」では、ランス展とコラボした自家製苺アイスとグラン シャンパーニュ ジュレのパフェ」がいただけますよ。

「自家製苺アイスとグラン シャンパーニュ ジュレのパフェ」700円

フランスのグランシャンパーニュ地区で1800年代から続くぶどう農家の名門「ポールジロー」の発砲ぶどうジュースをジュレにし、自家製の苺アイスと合わせたスペシャルなパフェ。
クーベルチュールチョコやホワイトチョコ、ザクザクのグラノーラにさっくりとした自家製パイ、フレッシュな苺もいい仕事してます♡



いかがでしたか?

春のお散歩がてら、様々な表情を見せる木々の“緑”海や空の”青”に会いに行ってみてくださいね!

NHKミュージアムシアター「8Kで巡る世界の至宝」もお見逃しなく。

【学芸員による見どころ解説会】
3月6日(土)、13日(土)、20日(土)10:30~ 各回20分間
※申込不要・参加無料

【NHKミュージアムシアター ~8Kで巡る世界の至宝~】
オルセーやルーブルなど世界を代表する美術館の「至宝」や、日本が世界に誇る「国宝」の数々を紹介するNHK制作の番組を8Kの高精細映像で上映。美術館1階特設スペース、9:30~16:30。
※申込不要・入場無料

ランス美術館コレクション 風景画のはじまり ~コローから印象派へ~

【日時】
2021年2月27日(土) ~ 2021年3月21(日)
9:00~17:00(入場は16:30まで)
【会場】福井県立美術館
福井県福井市文京3丁目16-1
☎0776-25-0452
【観覧料】
一般・大学生  1,400円
高校生     800円
小・中生    500円
(20名以上の団体は2割引)
※障がい者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は半額

▼詳細はこちら
https://fupo.jp/event/reims-specialexhibition/

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

MK
writer : MK

「おいしいものしか食べたくない」がテーマ。
主に、ふくいの食べもの、飲みもの、うつわ(職人)について書いてます。ときどき、オシャレもしたくなります。
エジプトと古墳時代、ジブリも好きです。県内のアート情報にも目を光らせています。

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