変わらぬ味を次世代へ。福井で事業継承した老舗4店とその物語

変わらぬ味を次世代へ。福井で事業継承した老舗4店とその物語

福井で愛される老舗の味が、新たな担い手によって次世代へ!

「ドライブイン やまだ」や「大衆割烹 ぶんぶく」など、事業承継によって守られた名店4選をご紹介。

店主たちの想いが詰まった、変わらぬおいしさは必見です。

未来へつながった「福井の宝」を訪ねてみませんか?

\教えてくれた人/
坪川光弘さん
福井商工会議所が運営する国の公的機関「福井県事業承継・引継ぎ支援センター」統括責任者。
「福井うめぇ店」プロジェクトの立ち上げに関わる

店の未来を支え、“その街らしさ”を守る。

「後継ぎが見つからず、このまま店を畳んでしまおうか」「高齢で厨房に立つのが難しい」…。

コロナ禍以降、老舗の飲食店からも、こういった声が聞こえるようになりました。

 

民間の信用調査会社によると、2025年の県内企業の休廃業・解散件数は3年連続増加しており、経営者の9割近くは60歳以上

「後継者不足や、手元資金に余裕があるうちに退く“サイレント廃業”が多くなっています」と福井県事業承継・引継ぎ支援センターの坪川光弘さんは話します。

同センターは県内の中小企業の事業承継を支援する公的機関で、経営相談やマッチング、後継者バンクなどを通じ、承継が円滑に進められるようサポートを行っています。

 

2024年には、福井の老舗・名店を守るプロジェクト「福井うめぇ店」がスタート。

県民を対象としたアンケートで寄せられた声は1400件以上!

家族の思い出の場所」や「帰省のたびに行く」というメッセージが添えられました。

相談員は各店を訪ねて反応を届け、経営の相談にもつなげています。

 

名店は継ぐ人も継がせる人も覚悟が要るもの。

「私の代で終わりにする」や「うちの味は教えられない」と言われるのも仕方のないことですが、“福井らしさを感じてホッとできる味は、未来へつないでいきたい食体験。

「『福井うめぇ店』を店選びに役立ててもらい、一緒に応援していきましょう」

2025年に第三者承継
「大衆割烹 ぶんぶく」

店は、これまでの雰囲気をそのままに昨秋改装。テーブル席も増やしました

先代の心意気を継ぐ若き担い手。

足羽山のふもとで創業45年目を迎える「大衆割烹 ぶんぶく」。

高齢化により引退した先代から店を受け継いだのは、京都や福井で料理の修業を積んだ辻直士さん。

料理の道に進むと決めた時、常連だった父に「この店を知っておくべき」と連れて来られ、帰省するたび通うように。

そして、Uターンしたタイミングで「後を継がないか」と声をかけられました。

「人にすすめるくらい好きな店だったので、正直に嬉しかったです」。

そこから2年、先代の側で働きながら独立の準備を進めたといいます。

丁寧に血合いを取り、美しく盛りつけた「刺身盛り合わせ(1.5人前~)」税込2,400円~。玉子入りの温かい「自家製ポテトサラダ」税込440円は毎日作り続けて味を覚えました

先代のモットーは「おいしいものを安く提供する」こと。

魚は必ず市場で仕入れます。

目利きも料理の味付けも、寡黙で職人気質である先代の背中から学びました。

「味はもちろん、お客さんを引き継いでほしい」と、営業後に2人で賄いを食べながら常連客の好みなどを教わるのが楽しい時間だったそう。

「味もBGMも、皆さんが『変えないで』というものを守ることが第一。いずれは自分が修業した寿司なども出したい」と辻さん。

「変わらず、おいしいね」「また来るよ」。

その言葉を励みにしながら、今日も誠心誠意尽くして客を迎えている。

口に入るまで鮮度を保つため、イカは注文後にさばきます

大衆割烹 ぶんぶく

福井県福井市足羽1-6-12
☎0776-35-7501
【営】17:00~23:00(料理22:00LO、ドリンク22:30LO)
【休】月曜、第1・3・5日曜
Instagram

2025年に第三者承継
「周遊池(しゅうゆうち)

濃厚なアロマ香る「ヘーゼルナッツコーヒー」税込500円のほか、夏はうどんも登場

同世代から受け取った憩いの場のバトン。

昨年、東尋坊近くに佇む喫茶店の新オーナーになった山川美千子さん。

元々は客として通い、年齢が理由で店を閉める話を聞いて、「四季の眺めが美しい、のどかな店をなくすのはもったいない」と一念発起。

メニューはコーヒーと中国茶に厳選し、“無理なくのんびりと”店に立っています。

明るい人柄が出会いを生み、個展などにも場を開いていく予定です。

「蝶恋花」税込700円など4種の中国茶がそろいます

周遊池(しゅうゆうち)

福井県坂井市三国町安島59-50-15
☎なし
【営】10:00~17:00
【休】火~木曜

2023年に親族内承継
おでん・鉄板焼 案山子(かかし)

「お客さんも3世代だね」と笑う父親と祖母は今も現役

おばあちゃん子が守る熱々のおいしさ。

54年前に屋台そばとして産声をあげ、現在は若き3代目の片岡弘志郎さんが切り盛り。

「“案山子の子”として育ち、こんなに愛されている店はない」と実感し、厨房に。

子どもの頃から親しんだ味の覚えは早かった。

名物は鉄板焼きや卵焼き、そして出汁の旨味たっぷりのおでん。

家族の温かさと熱々の料理が、地域のお腹を満たし続けていきます。

そば屋時代の出汁を使った「ミックス焼き」税込1,133円は、驚くほどふわふわ

おでん・鉄板焼 案山子(かかし)

福井県あわら市二面5-208
☎0776-77-3095
【営】17:00~24:00(23:00LO)、月・木・金曜はランチあり11:30~14:00(13:30LO)
【休】火曜
Instagram

2021年に第三者承継
「ドライブイン やまだ」

奥さんのりささんと。昨秋、福井市の「ふくい鮮いちば」に2号店をオープン

慣れ親しんだ名物を変わらず届ける。

三方湖沿いで愛され続ける食堂。

高齢化による後継者探しで声がかかったのは福井市で飲食店勤務をしていた遠戚の西村悠馬さん。

家族でもよく食べていたというソースカツ丼への思いは強い。

「コクがあるのに後味すっきり。先々代から続く味はもちろん、50年以上の“時”も継がせてもらっている」と言い、妻と二人三脚で暖簾(のれん)を守り続けています。

秘伝のタレを絡めた「カツ丼大」税込1,300円

ドライブイン やまだ

福井県三方上中郡若狭町成出22-1-1
☎0770-46-1345
【営】11:00~15:00、土日祝~17:00 ※ごはんが無くなり次第終了
【休】水曜、不定休 ※インスタで確認
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※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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