【ふくいデザイン探訪Vol.9・株式会社武生製麺】大根が持ち手になる! 斬新なデザインのお土産用商品。

【ふくいデザイン探訪Vol.9・株式会社武生製麺】大根が持ち手になる! 斬新なデザインのお土産用商品。

こんにちは、ふーぽ編集部です。

デザインセンターふくい(公益財団法人ふくい産業支援センター デザイン振興部)が展開している「DESIGN CONNECT」事業。

今年11月25日からの約1カ月間、県内企業のデザイン活用事例等を紹介する「デザインコネクト展」を、福井ものづくりキャンパスで開催予定です!


展示会に先立ち、ふーぽ上では「ふくいデザイン探訪」と題して、デザインの観点を取り入れ、企業ブランディングや商品・サービスの開発を行った、県内企業の先進事例を、全10回にわたり紹介していきたいと思います。

 

今回は、デザインを活用した販売戦略・市場開拓に取り組む株式会社武生製麺をご紹介します。

 


デザインの活用によって成長が期待される製造業・農林水産業・飲食業・サービス業等、様々な企業やクリエーターに向け、デザイン導入事例や先進事例を紹介する「オンライン講座」や「デザイン展」を開催。

新しい時代を切り拓く、人の心を魅きつける商品やサービスはどのようなものか、どのように生み出されるのか、県内外で活躍するクリエーターや県内企業とともに考え、そこからはじまる新たなアクションを応援します。

【⇒過去のデザインコネクト関連記事はこちらから】

◆ これまでにないインパクトのお土産商品開発

大正14(1925)年創業の株式会社武生製麺は、食事やそば工場の見学、そば打ち体験など、越前そばをまるごと楽しめる「越前そばの里」を運営。

持ち帰り用のそばや、そばを使ったさまざまな商品を全国各地に販売しています。


2020年に登場した「越前そば手提げ箱」は、今までにない斬新なデザインのお土産用商品。

大根部分の持ち手を握ると、まるで大根をおろしているかのように見えることから、発売開始以降、大きな話題となっています。

 

◆ デザインのマンネリ化が長年の課題

武生製麺の強みは、福井と北海道に直営農場を持ち、原材料である玄そばの栽培から自社製粉や製麺、そばつゆづくりまで一貫生産できること

製麺直前に製粉するこだわりのそばは風味が豊かで、全国各地にリピーターが多いのも特徴です。

 

武生製麺ではこれまでさまざまな商品を販売してきましたが、社内では商品が増えたことによるデザインのマンネリ化が課題になっていました。


「社内で商品のパッケージデザインに携わるスタッフは私だけ。

15年以上も作り続けていると似たようなデザインが多くなってしまい、新しいアイデアもなかなか湧いてこないのが現状でした。

さらに、当社の商品の購入者は40代以上の方が多く、20〜30代の若い方にも手にとってもらいたいという思いを持っていました」と、長年商品デザインを手掛けてきた通販企画部の山本将夫さんは語ります。

 

 

◆ お土産商品の開発に伴い、外部のデザイナーを採用

武生製麺は2018年に「半生麺」の開発に成功。

これまで製造していた生麺の日持ちは数日のみで、冷蔵施設のある場所でしか販売することができないため、お土産物としては不向きでした。

しかし、半生麺にすることで賞味期限が3ヶ月程度に延び、さらに常温での販売が可能になったため、新たなお土産用商品を作ることになりました

 

自社では思いつかないようなインパクトのあるデザインを取り入れたい


そこで、これまではすべて内製化していたパッケージデザインについて、初めてデザインセンターふくいに相談し、自分たちのパートナーとなる外部のデザイナーを探すことになったのです。

 

「デザインセンターふくいさんに、食品加工の商品にも携わっているWit design 山本 智恵美さんを紹介していただきました。

現状の課題や、当社が作りたい商品のことを理解した上で、最適なデザイナーを提案してくださるので心強かったですね。

今回の商品は、インパクトのあるデザインに加え、老舗感や高級感も出したいという正反対の要素を盛り込んでいました。

難しいデザインだったと思いますが、私たちのコンセプトをしっかり理解してくださるデザイナーと出会うことができ、完成度の高い商品に仕上がりました」。

 

 

完成した「越前そば手提げ箱」のパッケージは、おろしそばの大胆なビジュアルで「シズル感」を表現。

大根部分が持ち手になっており、商品を持つとまるでおろしそばの大根をおろしているように見えることから、「越前おろしそば」の食べ方を知ってもらえる等、お客様と楽しくコミュニケーションできるデザインになっています。

 

 

さらにこのパッケージのポイントは、複雑な形状の箱にもかかわらず、展開すると一枚の紙でできていること。

武生製麺がこの技術を持つパッケージ会社とのつながりがあったため、別途持ち手をつけたり、そばの作り方を書いた紙などをいれたりするコストがかからないのも大きなメリットになりました。

 

◆ 外の風を入れることで社内の新たな刺激に

当初は不安もあった武生製麺さんですが、外部デザイナーとの共同作業は勉強になることばかりだったそう。


「社外の方との仕事は、コミュニケーションの難しさや時間がかかるイメージがあったのですが、想像以上にスムーズでしたね。

デザイナーとのやりとりを通して私自身も刺激になることが多かったです。

今回、デザイナーやカメラマンとの新たなつながりが生まれたことは、当社にとっては大きな収穫。

今後新しい商品を作るときはもちろん、既存商品のリデザインにおいても積極的に外の風を入れたいと考えています」。

 

現在、県内のサービスエリアや道の駅、観光施設で販売している「越前そば手提げ箱」は、バイヤーからの評判も上々。


膨大な数の商品が並ぶ土産売り場でも目を引くビジュアルで、購入者も20〜30代の若い年齢層に広がっています

今後もお土産に加え、ギフト用など用途を増やしながら、半生麺を使った商品の拡大を進めていきます」。

 

株式会社武生製麺

越前市真柄町7-37
☎0778-22-0272

公式ウェブサイトはこちら

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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writer : ふーぽ編集部

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