プロデューサー・若新雄純さん「僕の〝実証実験〟を見て、誰かが生きやすくなれれば」【ふくい人に聞く】

プロデューサー・若新雄純さん「僕の〝実証実験〟を見て、誰かが生きやすくなれれば」【ふくい人に聞く】

プロデューサー
若新 雄純さん

 

社会やコミュニケーションのあり方、新しい働き方などを研究しながら、企業や自治体と組んで多様なプロジェクトを手掛けている若新雄純さん(福井県若狭町出身)。

最近はテレビの全国放送などでコメンテーターとしても人気を集めています。




ビジュアル系バンドを思わせるファッションと金髪をアイコンとし、自身を「ナルシスト」だと公言する。そんな若新さんの活動を要約するのは難しい。


有名大学の教員として研究室を持ち、自治体や企業と協働して多彩なプロジェクトを手掛ける。テレビでタレントたちに交じってコメンテーターを務め、自著で社会システムを論じる。複数の会社の経営に携わり、政党のコンサルタントも担う。


「僕が一体何者なのか、確かに分かりにくいですよね。だけど、そもそも明解さって必要ですか。理解できないものや異質なものも、社会の中で共存できるはず。それこそが最近よく言われる〝多様性〞につながると思います」


全国の企業や自治体、教育機関などに招かれ講演やセミナーなどに飛び回るほか、実業家としてビジネスを切り盛りする多忙ぶり。慶應義塾大学や福井大学では定期的に授業を担当する


若狭高校を卒業後、1年間のアルバイト生活を経て県立宮城大学に進学した。

「昔から好奇心が強すぎて、周囲に合わせて暮らしていた頃は息苦しかった。知人が誰もいない土地に行って、ようやく思い切り自分を出せるようになりましたね」

大学在学中に主催したイベントがメディアで取り上げられ、先輩と起業した会社は、後に急成長を遂げて東証一部上場を果たした。


100人を超える取締役だけで運営する「ニート株式会社」や、週3日勤務の「ゆるい就職」、そして鯖江市の「JK課」など、既存の働き方や公共サービスの枠組を揺るがすプロジェクトをここ数年で次々と発表し、全国から注目を集める。

それらの多様な活動を語る際、若新さんがよく口にするのが「実験」というキーワードだ。


「やっていることは、自分を実験材料にした研究みたいなものです。例えば他人へのコンプレックスや、有名になりたい、注目されたいという虚栄心が自分にあることを認めた上で、それが実現したら僕の内面にどんな変化が起こるのか。批判にさらされたときには、どんな心の動きがあるのか。つぶさに観察したいんですよ」


全国放送やネットのテレビ・ラジオで数本のレギュラー番組を持つ、売れっ子コメンテーター。地元福井でもFMラジオのほか、この春からテレビ番組のレギュラーを持つ予定だ


自身のキャラクターがどう見られ、何が望まれるか理解した上で立ち振る舞い、時流に合わせて肩書を使い分ける。時に「怪しい、胡散臭い」と評されるイメージも計算づくの演出のようだ。


一方で、「正しさ」の御旗の元に画一化や均質化を求める世間の圧力にはゆるやかに抵抗してきた。


「僕は誰かにコントロールされたくないし、生き方は自分でデザインしたい。だけど、皆とは関わり合っていたいんです。僕のような存在が受け入れられることで社会の中で何かが変わり、誰かの生きやすさにつながれば。そんな風に考えています」


若新 雄純(わかしん・ゆうじゅん)

福井市生まれ、若狭町育ち。若狭高校卒。
大学在学中に起業し、その後、慶応義塾大学大学院で修士号を取得。
「NEET株式会社」(2013年)や、鯖江市の「JK課」(14年)などの活動が話題に。
15年から福井大学産学官連携本部の客員准教授。17年から慶應義塾大学特任准教授。
著書に「創造的脱力」(光文社新書)

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