田嶋酒造・田嶋雄二郎さんと「蒸留器」【ふくいの人と道具】

田嶋酒造・田嶋雄二郎さんと「蒸留器」【ふくいの人と道具】

こんにちは、ふーぽ編集部です。

いろいろな職人たちの技を支えている道具たち。その道具への思いを、使い手にお聞きする「ふくいの人と道具」のコーナーです。

今回は、福井市にある田嶋酒造、田嶋雄二郎さんにお話を伺ってきました。

 

田嶋酒造公式ホームページはこちら

 


 

 

フラスコにメスシリンダー、電熱線。

 

酒蔵の片隅で、まるで実験室のような雰囲気を漂わせる装置の名は「蒸留器」

 

アルコール度数を測るためのものです

 

酒にはアルコールや水以外にも、アミノ酸などが含まれ、そのままでは度数を正確に測れないため、一度熱してアルコールだけを取り出す

 

フラスコに入れた日本酒を電熱線で熱し、水よりも早く沸騰するアルコールだけを取り出す。

熱して気化したアルコールは、水で冷やせばまた液体に戻る。

 

仕組みは単純です。

 

熱する際は100㎖の酒をフラスコに入れる。

取り出されたアルコールをメスシリンダーに移し、100㎖になるまで水を加える。

 

アルコールの比重は、水よりも軽い。その違いを利用し、メスシリンダーの中に浮かせた「酒精計」の沈み具合で、アルコールがどれくらい含まれているかがわかるのだ、と田嶋さんは言います。

酒精計。細くなった部分には目盛が刻まれている

 

蒸留器は、ある程度酒が出来上がった時には発酵の進み具合を確かめるために、そして酒が完成した時にはラベルに表示する度数を測るために使われます。

 

「仕込みのたびにこなす決まり切ったものですが、昔はけっこう重要な作業だったようですよ」と田嶋さん。

 

かつてはアルコール度数によって酒税の税率が変わり、高いほど高課税でした。

そのため、度数の計測は気の張る作業だったそう。

 

しかしながら田嶋さんが家業に入る前、2006年にその制度は廃止され、税率は均一になりました。

アルコール度数を測る田嶋さん

 

日本酒は発酵が進むほどアルコール度数が高くなり味が深まる。

それを承知の上で、税率が高くなり過ぎないよう、あえて発酵を止めて度数を落とすこともあったそうです。

 

「今は度数にとらわれることなく、純粋に味にこだわった酒づくりができるようになっています。これからも福井の酒は、どんどんうまくなると思いますよと田嶋さんは話してくれました。

 

田嶋酒造公式ホームページはこちら

田嶋酒造
福井市桃園1-3-10
☎0776・36・3385

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