「自分らしく、生きる、働く」 福井で働く女性の、それぞれのストーリー 【Part2】

「自分らしく、生きる、働く」 福井で働く女性の、それぞれのストーリー 【Part2】

仕事、家庭、地域、プライベート......

忙しい毎日の中、現代の女性はいくつもの役割を持ちながら生きています。

自分のペースを大切にしながら、自分らしい働き方やキャリアを大切に、そしてプライベートも楽しんでいる、福井で働くそんな女性たちのライフストーリーを紹介します。

「自分らしく、生きる、働く」 福井で働く女性の、それぞれのストーリー
【Part1】の記事はこちら

INDEX
◆会社も地域も巻き込んで
やりたいことを全力で!
仕事も育児も楽しむ農業ライフ 
有限会社かみなか農楽舎 取締役 八代恵里さん

◆「誰かのために」が原動力
福井のものづくりを影から支える
生産管理の醍醐味
株式会社日本エー・エム・シー 生産管理部 岩野陽香さん

◆「魚のプロ」として
競り=競争社会で戦う
女性部長の奮闘
株式会社ケンスイ 飲食事業部 部長 酒井 喜久枝さん

 

会社も地域も巻き込んで やりたいことを全力で! 仕事も育児も楽しむ農業ライフ
有限会社かみなか農楽舎
取締役 八代 恵里
さん
━ 農業を始めたきっかけは?

大学時代は数学の教員を目指していて、農業にはまったく関係のないゼミに所属していました。たまたま子どもたちの自然体験をサポートするボランティアに参加したとき、畑で野菜を取って食べる経験をして、農業に魅力を感じるようになりました。

「農業は大変」「後継者がいない」とマイナスな話も耳にしましたが、まずは自分が経験してみようとインターンシップに参加したり、知り合いの田植えを手伝わせてもらったり、興味のある場所に次々に足を運びました。

その後、さまざまなご縁をつないで出会えたのが「かみなか農楽舎」でした。研修生として門戸をたたき、社員を経て2021年に取締役に就任しました。

農薬をできるかぎり控えたお米や新鮮な野菜を栽培。ヤギのウメちゃんが家族のような存在

━ 3人の子育てと仕事をどのように両立してきましたか?

「子どもがいるからできない」というよりは、「子どもがいてもやりたいことをやり続ける」というスタンスで仕事に向きあっていました。

小さい子を抱えて作業をするわたしを見て、集落のおばあちゃんがタンスの奥からおんぶ紐を引っ張り出してあやしてくれたことをよく覚えています。事務所にベビーベットを置いていて、お客さんに子どもを見てもらうこともありました。

今もやりたいことが常にたくさんあって、スキーに行ったり、夜に家族で映画館に行ったり、隙間を見つけてはあれこれと動いています。

地域の行事や役割も楽しみながらやっているので、仕事とプライベートの仕切りはあまり感じません。なんでも全力で楽しんでいます。

地域の方々との餅つきは、大切な交流の場のひとつ。大人も子どももみんな一緒に楽しみます。

━ 農業の現場で大切にしていることはなんですか?

農業は単に作物を育てる仕事ではなく、地域とのつながりのなかで成り立つ仕事です。農地や水は代々受け継がれてきたもので、昔からの慣習や文化が根付いています。

最初のころは「女性がトラクターに乗るのか」と驚かれたり、組合の集まりで年上の男性のなかにポツンと座ることになったり、性別や世代のギャップを感じることもありました。

ただ、年代や性別ごとの役割や価値観も地域の人が守ってきた考え方なので、歴史や伝統を重んじつつ、新しい流れを組み込んでいければいいなと考えています。

田植えの準備が終わり、水が張られた田んぼが広がる景色を見ると、毎年「今年もここまで来たな」とホッとする瞬間があります。そうした小さな喜びを積み重ねながら次世代にバトンをつないでいきたいです。

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


やりたいことがあれば、周りを巻き込みながらどんどん挑戦してほしいです。できる限り常識にとらわれず、全力で楽しみながら進んでいきましょう。

<企業情報>
有限会社かみなか農楽舎
福井県三方上中郡若狭町安賀里74-1-1
https://nouson-kaminaka.com/

「誰かのために」が原動力 福井のものづくりを影から支える 生産管理の醍醐味
株式会社日本エー・エム・シー
生産管理部 岩野 陽香
さん
━ 生産管理の仕事の魅力とは?

ものづくりが好きで、大学では経済学部で生産管理のゼミに入りました。就活の時期に企業説明会で人事の方のお話を聞いて、明るい挨拶や説明中の楽しい雰囲気が印象的で入社を決めました。

製造業において、生産管理はまさに「縁の下の力持ち」。技術や業績などにスポットがあたる部門ではないですが、納期通りにお客様にお届けしたり、スムーズに製品を作ったりするためになくてはならない仕事です。

計画書を作る際、「少しでも効率よく現場が回るように」と意識して立てた計画に制作部の職員が気づいてくれて「ありがとう」と言ってもらえるとやりがいを感じますね。ささいな作業でも、どうせするなら誰かの役に立ちたいと思いながら仕事をしています。

 

大画面モニターを導入し、生産管理全体を効率よく把握しています。

━ 仕事とプライベートの両立はどうしていますか?

プライベートでは家族の介護をしていて、病院の予定や保険の申請など、家族のスケジュール管理も仕事と同じように組んでいます。余裕を持って予定を立てることで、突発的なことにも対応しやすくなるのを家に帰ってからも実感中です。兄弟と協力して、みんなで家族を支えています。

リフレッシュは推し活です。好きなアーティストのライブに行くととてもリフレッシュできますね。

会社の制度が柔軟で、有給が取りやすくライブに行くために活用することもあります。

あとは、同僚と食事に行って悩みを聞いてもらったり、おしゃれなカフェに行ったりして休みを楽しく過ごしています。

ライブの余韻に浸りながら、推し活仲間との食事も楽しみのひとつ

 

━ キャリアアップのためにしていることはありますか?

数年前にキャリアについて悩んでいると社長に相談したら、外部のキャリアコンサルタントを招いて研修を開催してもらえました。研修を受けたことで、自分の働き方にも新たな視点が生まれ、「知らないからできない」ではなく「知らないなら学べばいい」という考え方が身につきました。

今では「エンカレッジプログラム」としてキャリアについて考える活動を行っています。

また、社内では女性活躍推進のプロジェクト「ツギテラス」が発足し、働きやすい職場環境の整備が進められています。わたしもリーダーとして、社内イベントや制度づくりに携わりました。これからも新しいことに挑戦しながら、自分にしかできない仕事を見つけていきたいです。

ツギテラスで企画した「共家事を叶える!キャンプでも使える防災ごはん」では16組の家族が参加

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


自分だからこそできる仕事を見つけることが活躍の第一歩になると思います。「女性だから」「新人だから」と遠慮せず、主体的に行動してみてください。

<企業情報>
株式会社日本エー・エム・シー
福井県福井市市波町13-8
 0776-96-4600
https://www.j-amc.co.jp/

「魚のプロ」として競り=競争社会で戦う女性部長の奮闘
株式会社ケンスイ
飲食事業部 部長 酒井 喜久枝
さん
━ 漁業の世界に飛び込んだきっかけは?

前職で食に関する子ども向けのワークショップをする機会があり、食に関わる仕事に興味を持ちました。子どもの成長を感じられる仕事が楽しく、将来は子どもたちが集まる地域のコミュニティカフェを経営する夢を今も持っています。飲食について学べる会社に転職しようと思い立ち、ケンスイで「魚のプロ」になろうと決意しました。

ケンスイは鮮魚の加工や販売をするだけでなく、1次産業者として福井県第一号の大型定置網を持っているのが強みです。朝2時に起きて競りに参加して魚を仕入れる生活に慣れない時期もありましたが、熱意のある人たちと働けることが楽しく漁業の世界にのめり込んでいきました。

くら寿司の期間限定メニューにも採用されました

━ 男性が多い職場環境のなかでどうやって仕事を身につけていったのですか?

漁業の世界は圧倒的に男性が多いです。競り場でも事務系の人以外はほぼ100%男性ですね。ただ、業界全体に男女関係なくやる気がある人は誰でも受け入れる風土があり、当時38歳の主婦が未経験で転職してもすんなり受け入れてもらえました。

そうはいっても競り場は文字通りの競争社会。よい魚を仕入れるために、多くの時間をかけて戦略を練ってきました。量販店や外食チェーン店よりたくさん仕入れてもらえるようになり、様々な交渉して魚を買わせてもらったりしています。県内外の事業所と協力しながら、その時々の課題を解決しつつ、徐々に事業の幅を広げていきました。

━ 子育てと仕事の両立、どう乗り越えてきましたか?

転職したときすでに子どもは中学生になっていましたが、朝早くからの仕事や出張も多く、家庭とのバランスを取るのが大変でした。中学3年間は、2時に起きて朝の競りに行って、また家に戻ってお弁当を作って子どもを送り出すという生活。高校に上がるタイミングで母がサポートしてくれるようになり、仕事の幅を広げることができました。

正直、母親として女性として仕事を続ける壁を感じたり、活躍できる場が特定の業種に偏ってくると感じたりすることもあります。ただ、「壁を超えたらどうなるんだろう」と実験をしているような気持ちで取り組むようにしています。今は部長として決定権を持ってお客様や商談でお話することができるので、チャレンジを続けてきてよかったと感じています。

朝早くから働く自分へのご褒美に大好きなコーヒーを

福井県で働く・活動する女性に向けてのメッセージ


共働き日本一と評される一方、マルチタスクを要求されて働きづめの毎日を過ごしている方も多いのではないでしょうか。

女性の「やりたい」を叶え、支え続け、育てる努力ができる社会になるようにと願っています。

<企業情報>
株式会社ケンスイ
福井県福井市高柳1-2201
https://fukui-san.jp/producer/kensui_020/?srsltid=AfmBOorwkJnESsV25XdVF3UAj3ciy6Ah4hMXltlJlBtlC4Ugyqu-Dr_p

【本企画に関するお問合せ】
福井県未来創造部女性活躍課
福井市大手3丁目17-1
0776-20-0319
▶女性活躍課ホームページ
▶ふくい働く女性応援サイト

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

ふーぽ編集部
writer : ふーぽ編集部

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