空から落ちてきたジビエが、感動するぐらいメチャクチャ美味しかったというお話。

空から落ちてきたジビエが、感動するぐらいメチャクチャ美味しかったというお話。

こんにちは!
ふーぽ編集部のじんです。

みなさん! ジビエ食べてますか?!


そういえば最近、福井県高浜町の町議会議員の方が獣肉の前で撮影した写真をめぐって、いろいろとネット上で話題になっているようですね。

それについて特にコメントは差し控えさせていただきますが・・・


実はわたくし、福井県越前市の山奥のけっこうな田舎に住んでおりまして、
少し前の冬のある日、実に田舎らしいエピソードがあったので、ひとまずご報告しておきます。


【※記事中に一部、閲覧注意の画像が含まれます。十分に気を付けてお読みください】

 

ある冬の日の昼下がり、自宅で優雅にコーヒーなんぞを飲みながらくつろいでいたところ、


「ピューイ」

という鋭い鳴き声と、



「ドサッ」

という大きな音とともに、軒先に何かが落ちてきたようです。



あわてて近寄ってみると・・・



野鳥でした。

それも結構大きなサイズ。羽根の模様がすごくきれいです。


空を見上げると、ハヤブサ(?)っぽい鳥が旋回しつつ、遠くへ去っていくところでした。

どうやら、獲物を落としたようですね。


落ちている野鳥に触ってみると、


まだ温かい!!

今まさに絶命したところのようです。

当初は、キジのメスだと思いました。キレイな模様だけど地味なので。

ご存知の通り、キジやクジャクは求愛行動をするオスのほうが派手でキレイな羽根を持っていますよね。


しかし、鳥類図鑑やネットで調べたところ・・・

どうやら「ヤマドリ」という鳥らしいことが判明しました。

山の鳥で「山鳥」という一般名詞ではなく、ヤマドリ という種類の鳥ですね。

 

※【ご注意】
野鳥には地域によって「禁猟期間」「禁猟区域」などがあるようです。念を押しておきますが今回、発見時にヤマドリはすでに絶命していました。

野鳥の種類も分かり写真も撮ったところで、そろそろ林の奥に埋葬しようかなんてと思っていると・・・


妻が熱心に図鑑のヤマドリのページを見ています。

そこにはこうありました。


「肉が非常に美味しい」


肉が非常に美味しい!



(妻)「食べてみようか」

は??



(妻)「ほら、ネットに野鳥のさばき方のってるし」

ええ??



(妻)「ほら、今日はクリスマスイブだし

それはそうですが・・・。(そうだったんです!)



(妻)「ほらほら、天からの贈り物的な・・・

いや、うち仏教徒だろ・・・。



(妻)「よし、やろうやろう! 食べよう!」


うそやろーーー!!!


ということで、ヤマドリをさばいて調理することになりました。(妻が)


まずは、ヤマドリの尾羽を抜いていきますよー。

尾羽がどんなものかというと・・・

これですね!!

尾っぽのところの羽根です。

なかなかかっこいい!
ネイティブアメリカンが冠の装飾に使っていそうです。

ヤマドリの体を覆う羽毛を、ガシガシとためらいなくむしっていきます。(妻が)

僕と子どもたちが、周りでギャーギャーわめいています。


・・・そのうち妻が言いました。

「ちょっと、鳥と目が合うからイヤだ」


そして、取り出したハサミで・・・


はい、首をカットしました!

ギャー!!!



続きまして・・・、足をカット!!


ウギャー!!!

どんどん羽根をむしっていきまして・・・

あっという間に丸裸に。


ここまでくると、もう「お肉」という感じになってきましたね。


いよいよ、お腹にナイフを入れて・・・

胃などの内臓を取り出していきます。ヒエー!!!


ちなみに、これが胃の中にあったものたち。

野草と・・・、このかたまりは「ムカゴ」ですね。


ムカゴとは、ナガイモや自然薯などのヤマノイモ属のツルになる肉芽のこと。
地下の芋の部分と同様、貴重な山の幸として食用になります。

田舎暮らしなら珍しくないものですが、数が少ないためスーパーに並ぶことも少なく、都会の料亭なんかで出てくるとかなりの価格になる高級食材です。


いいもの食べてるな~。ヤマドリ。


尾羽を持って、

カットした足を持って・・・ハイ、チーズ! 


子どもたち、いい笑顔です・・・。慣れてきたようですね。


さあ、ヤマドリのほうは順調に「肉」になっていきますよ。



大きな鳥だったため、肉もけっこうな量がとれました。

かなり生々しい見映えなので・・・自主規制します。


さあ、いよいよ本格的に調理に入っていきます!!(妻が)

ヤマドリは肉そのものが美味しいらしいので、塩コショウのみで焼くことにしました。

素材の味わいを生かすってやつですね。

肉をそぎ落とした「トリガラ」部分からはスープを取ることに。
ラーメン屋さんでおなじみのやつ。


コトコトと弱火で3時間ほど煮込みました。
途中、灰汁を何回かすくいましたが、思ったほど灰汁は出ない印象でしたね。


しかし、妻の手際の良さはなんなのか。本当に不思議・・・。


ということで、ヤマドリ焼き上がりました。

メチャクチャいい匂いー!!


煮込んだほうも。簡単に野菜を加えて「トリガラスープ」出来上がり。
こちらも味付けは塩コショウだけ。


さあ、実食です!!



・・・・・。


なにこれ美味しい!!!


肉にまったくくさみはなく、鶏肉よりもしっかりした歯ごたえがあり、噛むほどに旨味があふれてくる。

本当に美味しいんですよ。


そして・・・さらに味わいの本領だったのはトリガラ野菜スープ。

スープに浮いている脂の旨味は濃厚ながら上品。
そして食べていると、身体がポカポカと温まってきます。

なんだこれ! おかわりが止まりません!

子どもたちもメチャクチャ喜んで、かぶりついていました。

先述の通り、この日はクリスマスイブ。
七面鳥ならぬ、ヤマドリのディナーとなりました。



さて冒頭で触れたように、ネット上では「命の尊厳」云々の議論が盛んですが・・・。

生き物の羽根をむしり、肉を切り、調理して、食べる。

実際にその一連の行為を行う際は、なんだか敬虔な気持ちを抱きました。
普段の生活の中で見逃していたある種の感覚に気付くというか・・・。

いや、言葉にすると逃げていきますね。これは。


なので、あの騒動に関してコメントは特にないですが・・・
ここで言いたいことはただ一つ。

野鳥をさばいて食べるときは、「トリガラ」は絶対に捨てたらアカン!



ということで、田舎暮らしはサイコーです。

また、なにか落ちてこないかな~。

※掲載内容に誤りや修正などがありましたら、こちらからご連絡いただけると幸いです。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

じん
writer : じん

雑食系フィールドワーカーにしてアームチェアディテクティブ。なんつって。

サブからメインまでカルチャー全般、ノンジャンルあれこれを事務所NGなしで書き散らかしますよ。

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