Vゾーンは着る人の美学を映し出す。【Bspoken®的 スーツ 着こなし指南】

スーツは嗜むもの、楽しむもの。
仕事の制服というより、人生の“ 嗜好品”かもしれない。

ルールやマナーに縛られていた就職活動時代はとうに卒業したはず。
今、スーツをどう着るかは、知識と美学とあなたの哲学によります。

知るほどに味や香りが立ってくるワインのように、着こなしもまた、伝統を知ったうえで守ったりハズしながら佇まいをつくっていく。

―着こなしは声なき自己紹介かもしれません。

TPOの“P”はPlace(場所)じゃなくて、Philosophy(哲学)のPだと、どこかのスーツオヤジが言ったとか、言わなかったとか。

あなたなりのスタイルが作れるように、まずはインプットからはじめてみましょう。

Vゾーンは着る人の美学を映し出す。

Vゾーンとは、スーツの襟元からネクタイ・シャツが見える文字通り“V字型”のエリアのこと。

シャツ、ネクタイ、チーフに、その人らしさや美意識がもっとも現れる場所。

―つまり、“顔の次に語るもの”と言えます。

ちょっとした知識やテクニックで、自分を表現できるようになりましょう。

 

まずは押さえておきたい、スタンダードなネクタイの結び方3つ。

何パターンもあるネクタイの結び方。結び目の大きさで印象を変えられますし、長くて余ってしまう場合の調整にもなるので、何パターンが覚えておくと役に立ちます。

プレーンノット

①首にまわした大剣を少し長めにして小剣の上でクロスさせます。

②上にある大剣を小剣に巻き付けるように一周回します。

③大剣をさらにもう半周回して小剣の後ろにもっていきます。

④首元のループに、大剣をから後ろから前へ通します。

⑤大剣と小剣で出来たループへ通します。

⑥小剣を下へ引っ張りながら、結び目を上まで上げれば完成。

このときに「ディンプル」と呼ばれるえくぼを作るとgood!

ダブルノット

①小剣を短めにとります。ネクタイにある縫い目を目印に大剣が前に来るようにクロスします。

クロスさせる位置は縫い目を目印に。

②小剣を軸として持ち、大剣を2周回します。

③大剣を襟元のループからくぐらせるように、下から上にもっていきます。

④首元を通し、大剣の2周目でできたループの前側に大剣を通します。

⑤カタチを整えながら、小剣を引っ張って、結び目を上に上げます。

⑥バランスを整えて完成です。

セミウィンザーノット

①小剣を短めにとり、大剣を小剣にクロスして後ろに出します。

②大剣を首元のループの上から通します。

③通したら締めて、大剣を前から回して反対側へ

④大剣を首元の下から通して、結び目に大剣の先を上から通します。

⑤小剣をおさえながら大剣を下へ引っ張ります。

⑥バランスを整えて完成です。

[Tips]ネクタイの美しさをつくるディンプル
ディンプル(dimple)とは、結び目のすぐ下にできる「えくぼ」のこと。このひと手間がネクタイの立体感を引き立て、Vゾーンに自然な陰影を生み出します。ディンプルがあるだけで、こなれ感やエレガントさが増します。自然にえくぼが作れるように練習してみては?
[Tips]ワンランク上の小剣ズラシ
スーツスタイルには、あえてハズすことで「こなれ感」を出すさまざまなテクニックがある。その一つがネクタイの「小剣ズラシ」。普通なら大剣にスッポリ隠れている小剣をあえて出し、大剣と小剣ふたつが並んで出ているように見せる小技。ただしスーツやシャツをキレイに着た上でのハズシ技なのでご注意を。

\なんとなく選んでませんか?/

シャツのカラー(襟)でVゾーンの表情は変わります。

[レギュラーカラー]

最もベーシックでビジネスシャツの定番。襟の開きが狭めでネクタイの結び目を程よく引き締め、プレーンノットとの相性が抜群。時代や流行に左右されにくく、着る人を選ばない。

[セミワイド]

レギュラーよりやや広く、柔らかく洗練された印象。ビジネスから少しドレスアップした場面までカバーできる使い勝手の良さから、レギュラー化しつつあります。

[ワイド]

襟の開きが大きくVゾーンに余裕があるため、存在感のあるネクタイでもバランスがとりやすい。ウィンザーノットと好相性。華やかで堂々とした印象を与えたい場面にぴったりです。

[ホリゾンタル]

襟先がほぼ水平(ホリゾンタル)に開き、ネクタイの存在感を引き立たせます。ノータイでも襟が自然に収まり、洒落感を演出できるので、ノータイで着るシャツとして選ぶ人も多い。

[ボタンダウン]

襟先を小さなボタンで留めているのが特徴。ポロ競技中の襟のばたつきを防ぐのが起源で、ノーネクタイでも襟が美しく立つ機能美が魅力。スポーティでカジュアル寄りな印象がある。

[タブカラー]

左右の襟先を内側のボタンやスナップで留める仕様。ネクタイの結び目を持ち上げて美しく立体的に見せ、上品さと端正さを演出します。英国紳士に好まれたクラシックなカラー。

ボタンダウン(B.D.シャツ)をめぐる「あり?なし?」論争
B.D.はカジュアルか? フォーマルか?
そもそもボタンダウンはポロ競技用のシャツから生まれたので、ルーツがフォーマルではないことから「ボタンダウンはあくまでカジュアルシャツだ」「ネクタイもする必要ない」という論争をよく耳にします。でも論争が起こるのは、ルーツについての知識を持っている人と、着こなせている自信がある人ですよね。スーツオヤジ的には「知識があって、あえて楽しんでいるのならOK」ということにしておきましょう(笑)
マナーや着こなしのスタンダードって、時代によってゆるやかに変化していくものです。知識を持った上で、守るべきところとハズすところ、うまく使い分けられるオヤジになりたいものですね。
パーティだけじゃない。ビジネスシーンでも使えるポケットチーフ

白いチーフを折りたたみ、1cm程度のぞかせるように挿す。ビジネスシーンでの基本として、まずはここから始めてみましょう。

 

ポケットチーフと聞くと「お洒落な上級者がパーティで使うもの」と思われがちですが、実はビジネスシーンで取り入れても良いんです。

最初に持っておくべき1枚としてオススメしたいのは、リネン素材の白いチーフ。

清潔感があり、華美になり過ぎず、さりげなく品格を添えてくれます。胸ポケットの幅に合わせて折りたたみ、白いラインが1cm程度出るように挿します。

 

パーティなど華やかさを演出したい場合は、色もの、柄ものをチョイス。白しかなくても挿し方(見せ方)で華やかにできるのがチーフの面白いところ。挿し方のバリエーションを研究してみると面白いですよ。

 

基本の白いリネンに慣れたら、TPOに合わせて色のついたものや、柄もの、魅せる挿し方へと徐々にバリエーションを増やしていくとよいでしょう。

ただし、チーフは華やかさ、丁寧さ、清潔感を添えるアイテムである一方、その場の空気に対して“目立つ”可能性があるため、転職活動の面接や、クレーム対応、弔事の場など“控えめであること”が美徳とされるシーンでは避けるのが無難です。

※本記事の情報は取材時点のものです。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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